days of cinema, music and food

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Basic Instinct


先日購入したサントラCDの内1枚が『氷の微笑』です。
ジェリー・ゴールドスミス1992年の作品で、アカデミー賞オリジナル作曲賞候補にもなっています。
それまでの『ポリス・アカデミー』やらではそんなに魅力的と思わなかったのに、ヴァーホーヴェンの前作『トータル・リコール』で「お、これはスターになるかも」と思ったシャロン・ストーンの大出世作ですね。


映画は公開初日だったかに、親友べっくと有楽町マリオンまで出掛け、非常階段で並んで待ったという思いでもあります。
映画冒頭、いきなりの惨殺場面で度肝を抜かれ、場面転換後、満席の場内が「はぁ〜」とため息で満たされていました。
ポール・ヴァーホーヴェンのハッタリの効いた演出と、ロブ・ボーティンのメイクも相乗効果を上げていましたね。
ジョー・エスターハスの脚本は面白いと思うものの粗っぽいものでしたが、正直、ゴールドスミスの音楽がかなり映画の格を上げていたと思います。


冒頭から流れる妖しいメロディ。
シンセ音をスパイスに、弦と木管の柔らかな音色が観客をスクリーンに誘います。
またはスリリングな場面での緊張感。
カーチェイス場面などアクションでは、ゴールドスミスお得意のブラスと打楽器を豪快に鳴らし、全体に起伏に富んだスコアを提供しています。
もっとも主題となるメロディを生み出すのには大変な苦労を強いられたらしく、「もう駄目だ」と弱音も吐いたとか。
それをヴァーホーヴェンが「君ならできる!」と叱咤激励し、ある日ゴールドスミスがピアノで弾いて聴かせて、ヴァホが「これだ!」と叫んだというエピソードもあります。
やはりゴールドスミスは努力型の天才なのでした(ま、そもそも天才とは努力する才能に恵まれている人だと思いますが)。


先日ご紹介した『ランボー』と同じく、演奏はゴールドスミス作品常連のナショナル・フィルハーモニック。
本CDは今までアルバム未収録だった曲も含めた全26曲、74分34秒という豪華盤です。
今までの盤が全10曲入りだったのに比べて大幅増量。
ゴールドスミスの数ある傑作に含まれるアルバムです。

Ost: Basic Instinct

Ost: Basic Instinct


こちらが通常盤です。

Basic Instinct

Basic Instinct