days of cinema, music and food

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Opening Title Sequences of 007 (Part 2)


007ボンド・シリーズのオープニング・タイトルと曲を振り返るこの企画。
まるで私が007マニアのようですが、実はそこまででもありません(^^;
しかし映画のタイトル・デザインには元々興味があり、且つ本シリーズはその点で観てもかなり魅力的だと思います。
第2回の今回は、ロジャー・ムーア時代のご紹介をしましょう。


ロジャー・ムーアが3代目ボンドを襲名したシリーズ第8作。
主題歌はポール・マッカートニーウィングス
ヤフェット・コットー演ずる悪役スカラマンガ(最期は無名時代のリック・ベイカーによる特殊メイクでお陀仏)がブードゥー教使いとあって、モーリス・ビンダーのデザインも邪悪な雰囲気を醸し出しています。
歌もデザインも強烈でアクが強いですが、私は結構好きです。
映画自体の感想は、ジェーン・シーモアのボンド・ガール、ソリティアは綺麗でしたし、コミカルな描写も増やしていましたが、スケールも小さくて安普請が目立つ、ぱっとしないものでした。


ルルによる主題歌です。
劇中で悪役スカラマンガが使用する銃がフィーチャーされていますね。
万年筆、ライター、カフリンクスで組み立てるという秘密兵器で、テレビで観たときは憧れでした。
原作者イアン・フレミングの従兄クリストファー・リー演ずるスカラマンガが格好良かったものの、映画自体は前作同様にぱっとしませんでした。
私自身はシリーズ低迷期だと思っています。


主題歌はカーリー・サイモン
マーヴィン・ハムリッシュによるこの歌は、アカデミー賞候補にもなりました。
本作以降、暫くはムーア・ボンド作品の主題歌は、女性ヴォーカルによるバラードとなります。
後のリンゴ・スター夫人バーバラ・バック演ずるKGB工作員とボンドが協力するという内容とあって、ビンダーのデザインもそれをモチーフにしています。
シリーズ第10作記念とあって映画自体も気合いの入った出来、結果的にシリーズ最高の大ヒットを飛ばしました。
バックのボンド・ガールも活躍したし、クルト・ユルゲンスの海運王も凄みがあり、リチャード・キール演ずるジョーズも良かった。
水陸両用車となるボンド・カーのロータスエスプリは、スーパーカー・ブームもあって眩しかったです。
リアルタイムでは映画を観られなかったものの、超合金のおもちゃを買ってもらいましたよ。
タイヤも折り畳め、水平翼をパチンとはめ込むと水中用ロータスが出来あがりでした。
個人的にはムーア・ボンド作品の中で1番好きです。


パワフルでスケールの大きなバラードは、3度目登場のシャーリー・バッシーの歌によるもの。
複数作で歌ったのは彼女だけです。
曲自体もとても良いです。
スター・ウォーズ』が巻き起こしたSFブームに乗って、ボンドも宇宙に飛び出しました。
それなりに楽しい映画ではあったものの、『007は二度死ぬ』と言い、本作と言い、ボンドに宇宙が絡む大作になると、大味で不出来な仕上がりになるように思います。


出ました!歌はシーナ・イーストンです。
人気歌手が起用される傾向があるシリーズにあって、ほぼ新人だった彼女の起用はかなり異色でしょう。
しかしこれが吉となり、シリーズを代表する歌にもなっていると思います。
またタイトル・シークェンスに歌手本人が登場するのは本作のみ。
美人ならではですね。
水中に沈んだ軍用船を巡る陰謀とあって、モーリス・ビンダーは水をモチーフにしたデザインを行っています。
もっともこれで味をしめたのか、以後の作品でも似たようなモチーフが多用されて行くのですが…。
映画本編は昨年8月に久々に観直して、かなり出来が良いと思いました。
ムーア・ボンド作品でも、『私を愛したスパイ』と並んで代表作に数えて良いのではないでしょうか。
本作以降、暫くの間は肉体を駆使したリアルなスタント・アクションが基調となって行きます。


主題歌はリタ・クーリッジ。
ソフトなコットン・ヴォイスとでも言いたい彼女の声もあって大好きな曲なのですが、当時はまるでヒットしなかったようですね。
本作以降のモーリス・ビンダーのデザインは、当時としては新しいレーザー光線を多用したものとなります。
それが今観ると古臭く感じてしまうのはやむを得ません。


主題歌はデュラン・デュラン
シリーズ最高の大ヒット曲でもあります。
メンバーのサイモン・ル・ボンニック・ローズがシリーズの大ファン且つ映画マニアなので、共作したジョン・バリーもこの作業が楽しかったようですが、同様に人気グループとの共作となる次回作でよもやトラブルになるとは思いもしなかったでしょう。
タイトル・デザインは悪のボンド・ガール役グレース・ジョーンズのイメージです。
これがかなり強烈だと思いますが、如何でしょうか。
曲同様に躍動感を表現しているものとなっています。


ロジャー・ムーアのボンドは高齢化が痛々しく、これにてご免となります。
7作に主演したのはシリーズ最多ですね。
テレビで観ているときは脂ぎったショーン・コネリーのボンドよりも好きだったのですが、今ではコネリーの方が好きです。
それだけコネリー・ボンドは子供心にはアクが強過ぎたのでしょうね。