days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Opening Title Sequences of 007 (Part 3)


ロジャー・ムーア降板後、演技派ティモシー・ダルトンがシリーズ第15作からジェームズ・ボンドに起用されます。


主題歌はa-ha。
作曲はジョン・バリーとの共作ですが、これが非常に上手く行かなかったようですね。
お互いにことごとく意見が対立し、後にバリーは「映画の事も何も分かっていないバカな連中」等と吐き捨てるように言っています。
a-haのメンバー達自身も納得が行かなかったのでしょう、後にアレンジ違いを発表しました。
どこかスケールが小さく、弱々しさも感じてしまう歌なのですが、それでも何となく好きなんですよね。
何でだろ。
映画は面白く、シリーズの中でもかなり良い出来だったと思います。
Blu-ray Discが出たら買いたいのですが…。


主題歌はグラディス・ナイト、曲作りはナラダ・マイケル・ウォルデンとその一派によるものです。
スケールの大きい、パワフルなR&Bナンバー、且つ007らしくマイナー調が素晴らしいと思います。
後にセリーヌ・ディオンにカバーされる事となる、エンディングでパティ・ラベルが歌う曲も良いですね。
映画は昨年8月に初めて観て、面白くもちょっと残念な出来でした。
友人べっくは結構好きみたいですが。
今度会ったときに理由を訊いてみましょうか。
現実的で暴力的なボンド映画は早過ぎたのでしょう、興行的に余り当たらず、ダルトンもボンドにしては華が無い、地味過ぎると言われて降板します。
また、1980年代のボンド作品全てを監督した本シリーズの編集者出身のジョン・グレンも、これにて降板します。
モーリス・ビンダーによるタイトル・デザインもまた、ビンダーの1991年の死去により、本シリーズではこれで見収めとなりました。


さて、次はピアース・ブロスナン時代になりますね。


作曲はU2のボーノとジ・エッジ。
歌はティナ・ターナー
きちんとマイナーなボンド調でありながら、インパクトのある曲とタイトル・デザインでもって、忘れ難い冒頭となっていますね。
ビンダーの死去もあって彼の弟子ダニエル・クラインマンがデザインを担当。
CGを駆使した現代的なものとなりました。
私にとって最初の劇場でのボンド映画初体験でしたが、スケールの大きいこのデザインには圧倒され、忘れ難いものとなっています。
6年とシリーズで最もブランクがあった作品ですが、ブロスナンの若々しく精悍なボンド像もあって大ヒットを飛ばしました。
適度に荒唐無稽でありながら大掛かりで派手なアクションのみならず、ハードな肉体アクションも多いのが特徴でしょう。
マーティン・キャンベルというアクションが得意な監督の起用も吉と出ましたが、正直に言って映画自体はそんなに褒められたものではないですね。
リュック・ベッソン作品で人気の出たエリック・セラの音楽も詰らなかった。
ブロスナンは演技力が無いのだから、ヘンに人間味を与えようなどという勘違い路線は止めるべきだった。
大根の彼に出来るのはロジャー・ムーア路線の継承ぐらいでしょう。
それが私のブロスナン・ボンド嫌いの理由となっています。


歌はシェリル・クロウ、デザインは前作同様にダニエル・クラインマン
これは歌とデザインが相まって前作以上の傑作シークェンスだと思います。
映画を観たのはドライブ・イン・シアターでしたが、大画面に吸い込まれそうになったのを記憶しています。
映画は観ている間は面白いものの、アクションばかりで溜めが無く、印象に薄いものでした。
ミシェール・キングことミシェール・ヨーの動きは凄かったのですけれども、残念ながら色気が無いのですよね…。
あの妙な中国語キーボードが忘れられません。
本当はどんなのなんでしょう?
本編は007マニアを自称するデヴィッド・アーノルドが音楽を担当し、ジョン・バリー風味を残しつつ自らの個性でもあるテクノ調も織り交ぜ、かなり良い出来でした。
バリー本人からも絶賛を受け、以後、現在に至るまで全作を担当する事になります。


主題歌はガービッジ、デザインはD・クラインマン。
歌は悪くないものの、このデザインは妻と共に期待外れとの感想を抱きました。
石油に絡む陰謀という内容をモチーフにしているものの、余り上手く行っていない気がします。
悪くないのだけれども、傑作デザインを2本連続して見せられたのでちょっと違う…と思ってしまいました。
映画はアクションが苦手なマイケル・アプテッドとあって、爽快感に欠けたもの。
プロットも上手くまとまっていない印象です。
ソフィー・マルソーのボンド・ガールは良かったのですが。


やはり…やはりマドンナの曲がサイアクです。
まるっきりボンド調じゃないじゃん!
これはちょっとどころか大失敗でした。
マドンナ自身はタイトル・シークェンスには登場しないものの(ほっ)、脇役で出演を果たしており、ゴールデン・ラズベリー賞(通称ラジー賞)の候補となっています。
珍しく物語とダイレクトに繋がっているタイトル・シークェンスのデザインは、3連投のD・クラインマン。
北朝鮮によるボンド拷問場面がそのままインサートされていて、シリーズ中でも異色です。
映画はシリーズ第20作にして40周年記念という事で、スケールの大きいものとなっていました。
興行的にはシリーズ最大のヒット作となりましたが、荒唐無稽になり過ぎて内容は不満足、近年で最も不出来なボンド映画だと思います。
同じ事を製作陣も思ったのかシリーズの内容を再検討、まだ契約の残っていたブロスナンを降板させる事になります。
アーノルドのテクノ音楽もやや飽きが来るものとなっていました。


4年のブランク後、華麗に復活したシリーズ21作目。
6代目ボンドにダニエル・クレイグを起用し、事前の杞憂を吹き飛ばすインパクトでした。
D・クラインマンのデザインは何と女体ゼロというシリーズとしては革命的なもの(笑)。
80年代調などとも一部で言われた主題歌はクリス・コーネル
歌・デザイン共に硬派で行くんだ、という意気込みが感じられるものでした。
これもまた、傑作シークェンスだと思います。
一瞬だけ登場のエヴァ・グリーンも見逃せませんね。
余りに色気不足のデザインなので、拒否反応を示した方もいらっしゃったようですが、これは意気込みを感じてもらいたいです(^^
映画本編がシリーズで1番の傑作だと思うのは、幾度も拙blogに搭乗するのでお分かりでしょう(^-^;


今のところシリーズ最新の第22作目になります。
主題歌はアリシア・キーズ&ジャック・ホワイトと、シリーズ初の男女デュエット。
2作連続でクレイグ・ボンド映画の主題歌は、曲名が映画題名と違うものになりました。
どちらもハードなのはクレイグのみならず映画の内容に合わせているのでしょう。
デザインはシリーズ初登場のデザイン・グループMK12。
タイポグラフィの使い方など格好良いし、シリーズの伝統を踏襲して女体シルエットだらけを復活させています。
余り評判が良くなかったデザインと主題歌のようですが、私は結構好きですね。


配給元MGMの倒産→買収騒動で『ボンド23』の製作中止が伝えられたのが、丁度今から1年前。
しかし先ごろ、改めて正式に製作開始が発表されました。
それによると監督サム・メンデスは変わり無し。
出演は無論、ダニエル・クレイグのボンドにこれで最後のM役ジュディ・デンチ
他にハビエル・バルデムの悪役と、レイフ・ファインズのキャスティングが噂されています。
主題歌担当決定は公開の割と直前ですから、判明するのは来年後半でしょう。
公開時には主題歌とタイトル・シークェンスも楽しみの1つとして、期待して観に行こうではありませんか。