days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

"Grindhouse" on Blu-ray Disc


DVD-VIDEO発売の際には買わなかった『グラインドハウス』。
私が劇場で観たのは、1週間のみ限定公開、しかも東京と大阪でそれぞれ1館ずつの上映だった、いわゆる『USA公開バージョン』でした。
これは楽しい経験でした。
私と知り合う前からタランティーノ作品好きだった妻と一緒に観に行って、ゲラゲラ笑ったという楽しい思い出もありますが、映画としてもかなりフザケタ作品で面白かったのです。
しかし何故DVDでは買わなかったのか。
LD時代にはせっせと買っていたクエンティン・タランティーノ作品は、何度か観返しましたし、友人達にVHSにダビングして上げたり(し〜っ、もう時効でしょ)して、十分に元を取ってはいたのです。
しかしDVDでは『ジャッキー・ブラウン』を購入したのみ。
理由は単純で、あのダラダラした会話は劇場では面白くても、家庭での小さなテレビ画面で観ると、かなり間延びするからなのです。
となると当然ながら、観返す頻度も低くなろうというもの。
これがきっかけで、今の家でホームシアターを入手してからも買わなくなってしまったのでした。


まぁだがしかし、久々にタラ作品を買おうと思ったのは、以前にもご紹介した『グラインドハウス映画入門』という洋泉社のムック本を、最近暇つぶしに読んだのも影響したのでしょう。
または本作からスピンオフで長編化されたロバート・ロドリゲスの『マチェーテ』を昨秋に劇場で観て、出来はまぁロドリゲスだからなぁ…と思いつつも、さてオリジナルの偽予告編はどんなのだったっけ、という思いも影響したのでしょう。
ともあれ、無事に熱帯雨林さんから到着したのはめでたい。
そんなこんなで、拙blogでは珍しく新譜のご紹介となります。
レコードを模したディスクデザインはDVD-VIDEO版と同じなのかな。

かなり雰囲気が出ていると思います。
デジパックも含めてデザインには満足しています。
尚、3時間以上の大長編なので、残念ながら2夜に分けての上映・鑑賞となったのを付け加えて起きましょう。
プラネット・テラー』からイーライ・ロスの偽予告編『感謝祭』までが第1夜。
デス・プルーフ』からが第2夜となりました。


映画のオープニング・タイトル。

ロドリゲス自身による曲と共に、下品にもデカデカと真っ赤なタイトルが右から左に横切ります。
期待を盛り上げますよね。


プラネット・テラー』の始まり始まり。

ローズ・マッゴーワンがゴーゴーダンスを見せるという、意表を突いた冒頭でした。
近年のアメリカ映画に珍しいグチャグチャ振りで、やはり楽しかったです。
丸ノコ持ったゾンビ(正確には感染者ですが)もグチャグチャ。

お久し振りマイケル・ビーン保安官が運転する大型トラックが次々ゾンビを跳ね飛ばすと、過剰な血糊噴出。

クライマクスは、一体どうやって引き金引いてるの?という片脚マシンガン/グレネード・ランチャー大振る舞いのローズさん。

相変わらずロドリゲスらしく足腰が弱く、全体に締まらない感じも、まぁコンセプトとしては合っているかと。
それでも低予算クズ映画の筈が、上出来の視覚効果満載で大掛かりな場面が多いのに、今更ながら違和感を感じました。
先の『グラインドハウス映画入門』によると、ロドリゲス自身は育ちが良いのでグラインドハウス映画など観た事が無く、タラに教わったそうですから、ここら辺は致し方無いのかも知れませんね。
まぁでも、クダラナイ2本立て上映の1本と思えば、無駄も無く楽しかったです。


でもこちらが本命でしょう。
タランティーノの『デス・プルーフ』。
冒頭は『サンダーボルト』という題名が一瞬だけ登場します。

それから『デス・プルーフ』と改題されて登場。

地方を巡業していたフィルムが、巡業地に合わせてタイトルを変えていた、という設定のようですね。
実は前半のガールズ・トークはついつい睡魔に負けて寝てしまったのでした(-_-;
劇場では面白かったのですが…
残念。
4人まとめて惨殺場面は、記憶よりもかなり短かったです。
それだけ劇場で観たときの衝撃が凄かったのでしょうね。
終幕のカーチェイス場面は劇場で観た時よりも感銘を受けました。

早い話が手に汗握ったという事(^^;
ゾーイ・ベル、凄いぞ!
そして私が大好きな場面。
スタントマン・マイクこと変態殺人鬼役カート・ラッセルがバーボンをあおる場面。

カン!とフレームに当たる(しかも2度も!)のが大爆笑です。
すっかり忘れていたので、深夜に独りで大笑いしてしまいました。


BDとしての画質は、まぁ、わざと悪く見せている映画なので評価は難しいですが、その再現も含めて良かったのではないか、と。
そして音。
これがかなり良かったです。
音圧もあるし、分離も明快。
となると、やはり昔のクズ映画にしてはお金が掛かった作品という事になりますね。


特典は少ししか観ていないのですが、エドガー・ライトが監督した『Don't』でサイモン・ペグとニック・フロストが出演しているのは、ここだったのか!と分かって満足。
それにしてもこういう映画だからこそ、本編に音声解説が欲しかった。
そこが残念ですね。
それでもこの映画が好きな方には手元に置いても損は無い、良質のパッケージ・ソフトだと思いました。
尚、妻に「買って観たよ」と言ったら「ずるい」と言われました。
「あの蹴っ飛ばす映画でしょ?」。
はははは、そういう映画かぁ。
確かに。
あのラストは酷いもんです(笑)。
でも最高ですよね。
また今度は妻と観てみますか。
となると、やはり買って良かったですね。