days of cinema, music and food

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"Shakespeare in Love" on Blu-ray Disc


ブコメもの、いやユーモラスなロマンスものと言いましょうか。
大傑作『恋におちたシェイクスピア』のBDを買っていたので、ようやく観ました。
劇場では鑑賞済み、無論DVD-VIDEOも持っています。
LDは持っていないなぁ…末期ですよね、出たのは。
その頃既に私は、購入パッケージ・ソフトはDVDにシフトしていたのでした。


劇場公開時、余りの素晴らしさに感激した映画です。
脚本、撮影、音楽、衣裳、キャストの演技など、どれもが贅沢で楽しい映画でした。
当時のレヴューはこちらにあります。
DVD版は高画質の誉れ高いものでした。
AV雑誌にチェック用ディスクとして登場したのをご記憶の方も多いでしょう。
さてこのBD版は如何なものでしょうか。


今回観直したのは10年振りくらいでしょうか。
観る度に舌を巻く緻密な脚本、流麗で高揚感のある映像、素晴らしい役者達、美しい音楽。
恋の高揚や悲しみ、笑いも盛りだくさん。
脇役達まで描きこまれていて血が通っています。
す一さんが仰る通りコリン・ファースが後半ドタバタしてコミック・リリーフに変化して、単なる悲恋ものにしていないとか、小技も効いています。

ジュディ・デンチ、出番少ないのに貫禄あり過ぎ(^^;

人物によっては作品を通して変化を与える技術とか、逆に何も分かっちゃいないJ・ラッシュの役とか、面白過ぎるし良く出来ています。
特にトム・ウィルキンソン演ずる高圧的な高利貸しが演劇に目覚めて行くのも可笑しい。
ベン・アフレック演ずるスターも美味しい役でした。
それにしても皆、若い!
いやはや、見ていて楽しい映画じゃないですか。
それとクライマクスも含めて盛り上げに貢献している流麗なカメラワークとスティーヴン・ウォーベックの音楽!
これらも見もの聴きものとなっていますよね。


忘れちゃいけないのが、グウィネス・パルトロウがとてもチャーミングな事。

この映画の彼女は光り輝いています。
それまで全く好きでなかった女優ですが、この映画の夢見て恋する乙女でありながら、同時に現実的な選択も出来る大人の女性をとても魅力的に演じていたと思いました。


これは私の好きな映画10本に確実に入る大傑作なのです。
当時はミラマックスのマネー攻勢によるアカデミー賞主要部門受賞も話題でしたが、作品の質もあっての受賞だと思います。
作品賞を争っていた『プライベート・ライアン』より、脚本や全体のバランスは確実に良く出来ていますから。
監督賞はあちらのスティーヴン・スピルバーグに渡りましたが、本作のジョン・マッデンも素晴らしいと思います。


BDとしての画質ですが、これも良かったです。
そりゃ最新作には負けますが、描き込まれたかのようなセットや衣装の細部、カラフルな色彩と、目を楽しませてくれます。
音は台詞が悪くない。
それと音楽ですね。
特典はどうやらDVDの使い回しらしく、残念ながら音声解説も日本語化されていないのもDVD同様。
特に音声解説は一縷の望みを抱いていただけに残念でした。


ともあれ、これはこの映画のファンならば持っている価値のあるBDだと思います。
手元でいつでも好きなだけ高品質の状態の映画を所有出来るとは、いやはや、幸せなものですよね。


エンディングで語られる『十二夜』は、トレヴァー・ナンの手で映画になっています。

十二夜 [DVD]

十二夜 [DVD]

男装のヴァイオラ役だったナンの妻イモジェン・スタッブスもとても魅力的だし、ヴァイオラを美男子と勘違いして恋してしまうヘレナ・ボナム・カーターも可愛かった。
舞台劇っぽさも残る映画化でしたが、笑いも満載でハッピーな気分になれる映画でした。
恋におちたシェイクスピア』と『十二夜』の2本立てなんて、良いプログラムだと思いますよ。
BD化されたら良いのになぁ。