days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

"Taxi Driver" on Blu-ray Disc


マーティン・スコセッシロバート・デ・ニーロの名コンビによる代表作『タクシードライバー』が、めでたくBD化されました。
本編がリストアされたのに加えて、特典も豊富です。
予約していたので、私にしては珍しく到着早々に観ました。
いやぁ、これは全国タクドラ・ファン必携のディスクですよ。
画質・音質共に素晴らしい!
もちろん新作には負けますが、日中の屋外場面など、解像度もかなりのもので、全体に画の見通しが良くなったのは大歓迎です。
今まで観た事のあるタクドラで1番の高画質なのは間違いありません。
そして音質。
オリジナルのステレオ音声を5.1chにリミックス。
私としてはオリジナル音源も収録してもらいたかったのですが、このリミックスはありだと思いました。
何よりもクリアな音に驚かされます。
サラウンドは控えめで、バーナード・ハーマンの名曲がふわっとバックに漂う程度なのが好印象。
オリジナルのイメージを損なわないものでした。


ご多分に漏れず、私も新しいディスクが登場する度にで本作を買っていたクチです。
でも記憶と違ってLDは持っていませんでした。
あれ、おかしいな。
友人べっくから借りたのかな。
DVD-VIDEO最初期のブロックノイズばっちりのもの、特典てんこ盛りの『コレクターズ・エディション』と、2枚持っていました。
本BDは『コレクターズ・エディション』の特典にさらなる特典を加えたもの。
まだ全部は観ていませんが、これは目を通さなくては。
音声解説が3本もあるので、厳しいですが (^^;


映画本編の評価ですが、最初の何回かの鑑賞ではまとまりの無さが気になりました。
特に暗殺失敗から売春宿殴り込みにかけての繋がりがスムースでないのです。
これは今も同じ感想なのですが、映画の完成度としては傑作でなくとも、この混乱が主人公の精神状態や生き様を切り取っているのだから、結果的に的確に表現されているのではないか、と思っています。
となるとやはり傑作という事になるのかな。


メニュー画面。

動画と音楽、画面下にカーソルが動くシンプルなもの。
しかし画面右上にBD-LIVEを使わせようとする「インターネット接続」という表示が鬱陶しいです。


冒頭タイトル。

バーナード・ハーマンのスコアが光りますね。
トム・スコットのサックスも最高です。
ここのところ、脳内で延々再生中… (-_-;


ベツィ役シビル・シェパード、お美しい。

もちろんBDなのでお肌綺麗なのもばっちり。
ラスト・ショー』もBD化されないものでしょうか。


不穏なタクシー乗客役スコセッシ。

ベツィ初登場場面でも階段に座って前を通り過ぎる彼女を見る男役で出ていて、そちらが非常にアヤしいんですよ。
で、この場面も狂気じみている。
こちらの役は元々別の役者が演じる予定だったとか。
それが変更になり、監督自身が演じる事になったのですが、もし先の場面と同じ役だとしたら、かなりアブない男という印象になります (^^;


デ・ニーロ、若い!


この頃のデ・ニーロは青剃りの印象が強いです。
映画を観ていて混乱するのは、場面によって髪の長さが違う事。
これって時系列じゃないって事???
やはり音声解説は聴かねばなりませんね。


アイリス役ジョディ・フォスター

彼女も記憶よりも出番が少ないのですが、印象が強烈ですよね。
他にも彼女のポン引き役ハーヴィー・カイテル、先輩タクシー運転手役ピーター・ボイル、ベツィに気のある同僚役アルバート・ブルックスなど、良い役者が多数出演しています。


モヒカン刈りを世に知らしめたのも本作。

本当はモホーク族の髪型なので「モホーク刈り」が正しいのですけれどもね。
何故か日本では間違って伝わっています。
IMDbで見ると、ちゃんと「モホーク」と書いていますよ。
クライマクスのスプラッター・メイクも見事な、名匠ディック・スミスによる傑作メイクアップですね。
ゴッドファーザー』のマーロン・ブランド、『エクソシスト』のマックス・フォン・シドー、『アマデウス』のF・マリー・エイブラハムと、スミスは自然な化けメイクの巨匠でもあります。


この映画が大好きならば必携。
もしこの映画を未見だけど興味があるのならば必見。
このBDはそんなディスクなのです。