days of cinema, music and food

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Transformers: Dark of the Moon ※8/5追記あり


映画の日ハシゴ2本目は、1本目の余韻の残る昼食後に南町田グランベリーモールにある109シネマに移動します。
お目当てはIMAX 3Dで上映されているシリーズ第3作目の『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』です。
第2作目『トランスフォーマー:リベンジ』については、かなり腹立たしく思ったものです。
映画であれだけ立腹したのは『アルマゲドン』以来。
あれ、どちらもマイケル・ベイじゃないか。
つまり私はこの人を映画監督としては全く買っていないのですね。
理由については繰り返しになるので、ここでは書きませんが、どうせ今回も駄作だろうという事前予想でした。
というのも、北米でのレヴューが酷評ばかりだったから。
それでも毎回、これでも期待はしているのですよ、えぇ。
残念ながら予想は当たりましたが、2年の間に子育て等している内にこちらも丸くなったからなのか、等と後付理由を考えてしまったくらいに、今回は不思議と腹が立ちませんでした。


キャリア初期のような捻ったホラー/スリラーをすっかり書かなくなり、前作同様カスとしか言いようの無いスカスカ脚本を書いたアーレン・クルーガーは、きっとお小遣い稼ぎにこのシリーズに携わっているのでしょう。
キーワードはスカスカだけではなく、無意味。
ケヴィン・ダン&ジュリー・ホワイトら登場するだけでうんざりする両親や、モデルもしくはプレイメイト好みのベイの趣味丸出しな新ヒロイン、ロージー・ハンティントン=ホワイトリー(予断ですがジェイソン・ステイサムの彼女)の存在(演技初体験ですから非難はやめておきましょう)、ジョン・マルコヴィッチの社長等、とにかく何で登場しているのか全く意味不明な人々だけでなく、そもそも主人公シャイア・ラブーフの存在すら意味が無いという徹底振りには恐れ入ります。
シャイア君は一応前作で成長した事になっているのですからやる事も無く、単なる傍観者になるのは当然でしょうね。
無意味と言ったら、意外な役どころのパトリック・デンプシーも、国務長官フランシス・マクドーマンドも、あれから引退したらしいジョン・タトゥーロも、存在意義がありません。
誰1人物語を牽引せず、ただただロボット同士の抗争に巻き込まれるだけ。
前作に引き続きコメディも狙っていますが、おかしくもなんとも無く、鬱陶しいだけ。
そう、これは徹底してロボット達が都市を破壊し、互いに破壊し合うだけの映画なのです。


そもそもマイケル・ベイはアクションに興味が無く、ただひたすら破壊のみを描く事に執念を注ぐ監督です。
クライマクスなんて、赤と青の似た色のロボット同士の殺し合いなのだから、どっちがどっちだか分かったもんじゃありません。
アクションに興味が無く破壊にのみ興味があるから、こんな事になるのです。
全編にある惨たらしいロボットの死に様(破壊様?)もそう。
脊髄引っこ抜きはいつやるかと思ったら、あそこでしたか。
そのようなやたらスローモーションでやたらキャメラが動くILMのフルCG場面の数々は、上映時間157分の内半分を占めているのではないでしょうか。
後半は相変わらず緊張も何も無く、ただひたすら騒々しい破壊場面だけが延々続くので退屈に襲われ、いつの間にか寝てしまい、気付いたらシカゴが破壊されていた次第です。


まぁ大体にして、クルーガーの脚本はトンデモ陰謀説も織り込んだ厨二病的設定満載の代物です。
まさかのバズ・オルドリン本人まで担ぎ出すとはよくもまぁ、と苦笑を禁じえませんが、そもそもその程度の映画なのですからと思って、今回は怒らなかったのかも。
元々自信過剰な割りに程度が低過ぎるベイ作品でもありますから、コドモ相手に真剣に怒っても仕方ありません。
結局のところ、予想以上に無内容だったものの、その場その場のハッタリだけのマイケル・ベイらしい画と、衣服や横隔膜を震わす凄まじい音響だけが取り得でした。
それでも長過ぎ。
1時間半で十分です。


IMAXならではの超高画質・高音質はさすが。
しかし後半のめまぐるしい戦闘場面では、3Dは余り効果がありませんでした。
その意味では2,200円払う価値は無かったですね。
さすがにこれで打ち止めでしょう…いや、効率良く製作して大ヒットを飛ばしているのだから、まだ作るかも??


※8/5追記
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