days of cinema, music and food

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The Mechanic


ジェイソン・ステイサム主演作『メカニック』を、レイトショウで鑑賞しました。
お盆休みの平日火曜日21時35分からの回、私も含めて10人の入りでした。


アーサー(ジェイソン・ステイサム)は組織の指令で暗殺を行うプロフェッショナル。
事故や病死に見せ掛け、証拠や痕跡を残さない凄腕でした。
ある日、指令により師匠で親友のヘンリー(ドナルド・サザーランド)を殺害します。
その息子スティーヴ(ベン・フォスター)と知り合った彼は、ヘンリー暗殺の後悔もあって、スティーヴ本人の希望により殺しのテクニックを伝授していきますが。


1972年のマイケル・ウィナー監督、チャールズ・ブロンソン、ジャン・マイケル=ヴィンセント主演の同名アクション・スリラーの再映画化です。
20数年前のゴールデンタイムの洋画劇場で放送されていましたが、見逃してしまい、それ以来観る機会が全くありません。
観ておけば良かったなぁ、と後悔しています。
こちらの方は、緻密な殺しでメカニックの異名を取るステイサムが、自分が手を掛けた師匠の息子ベン・フォスターを殺し屋として育てるプロットに、派手なアクション満載。
ハゲ兄ィは凄腕だから殺しの痕跡を残さず事故死や病死に見せかけるのに、弟子は下手ッピだから直ぐに乱闘&銃撃戦になるのが繰り返しギャグのようで笑えます。
オリジナル版とは、恐らくまるで雰囲気も違うのではないでしょうか。
だってマイケル・ウィナーと言えば、ブロンソンとのコンビでは『狼よさらば』がありますが、私の中ではマーロン・ブランド主演の『回転』前日談である『妖精たちの森』の監督なのですよね。
あの冷え冷えとしたタッチは、心底寒気がします。
そんな雰囲気もどことなくあるのではないか、と想像されるオリジナル版とは、結末も違うようです。
まぁ、こちらは派手派手暴力一杯のカタルシスを狙った作りだからでしょうね。
馬鹿馬鹿しいけど93分の上映時間もテンポ良く、気楽に楽しめる作品でした。
サイモン・ウェストって、『コン・エアー』『将軍の娘/エリザベス・キャンベル』『トゥームレイダー』と、凡作駄作ばかりの監督だと思っていましたが、初めて面白いと思いました。


事前の予想通り、ステイサムでは冷酷非常なメカニックには見えませんでした。
凄腕なのは分かるけれども、人間臭いのが持ち味なんだし、演技に幅がある訳じゃないからミスキャストでしょう。
さすがに切れのあるアクションは見せるますが…。
対照的にベン・フォスター
ラッセル・クロウの弟分の悲哀を見せた『3時10分、決断のとき』も良かったですが、こちらも殺しに魅惑される異常性を秘めた不肖の息子を演じていて、とても良かったと思います。


男どもは良いとして、女の描き方で気になる点もありました。
『ラスト・ターゲット』のヴィオランテ・プラシドといい、本作のミニ・アンデンといい、男の夢想系アクション・スリラー2本で欧州美女が共に娼婦の役とは、これ如何に。
アメリカ映画にとって欧州美女がある種理想なのでしょうか。
でも共に監督は欧州人。
て事は欧州男は欧州美女好きって事?
それとも欧州監督の意地で欧州美女を出したって事?
たまたまかも知れませんが。
まぁ何にせよ作品中の女性の扱いからして、既に観客は男性のみを想定しているのでしょうけれどもね。