days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Rage


ベセスダ傘下になったid Softwareの新作FPSとして、『RAGE』発売前は話題のゲームでした。
余り売れていないのか、早々に忘れられた感がありますが。
Xbox 360版を購入し、シングル・キャンペーンを18時間強でクリアしました。
サブクエストを殆どやり、レース系もそこそこやったのでこの時間ですが、メインクエストだけだと10時間強でクリア出来るのではないでしょうか。
それでもFPS、いわゆるシューター系でこの時間はかなり長い筈です。
最近のは、『コール オブ デューティ』シリーズも含めて、大体が7-8時間程度でクリア出来ますから。


舞台は小惑星の衝突で破滅した未来の地球です。
主人公は衝突後の文明再建を託された、アークと呼ばれる宇宙船(?)内から覚醒した生き残り。
地上で細々と生き残っている人々が居る中、やがてアークの生き残りがオーソリティというハイテク装備の武装軍団に狙われている事を知ります。


銃器が余り強くない序盤3時間は今一つだなぁ…と思っていたら、強い武器・巨大な敵が出て来て、異様な雰囲気のホラーっぽい病院内の辺りから俄然面白くなって来ました。
ここは先にクリアされているHAMAさんと似た感想です。
以降、ひねくれた武器を入手する毎に、攻略方法が多彩になって楽しく来ます。
正直に言って、期待していたRPG部分とFPSの融合は余り上手くいっていないし、ストーリーテリングにもかなり問題があります。
RPGを狙った部分はお使い系ミッションが殆どですし、全体がお使い系なので主人公が主体性を持っていないように思えるのです。
最後はなんじゃ!?もうおしまい??と肩透かしでした。
事前に売りの1つだった、荒廃した未来の地上を武装したバギーで縦横無尽に走り回るところも、大地の上の移動も自由なのかと思いきや、狭い谷底地帯のマップを行ったり来たりで物足りない。
世界観や車両こそ『マッドマックス2』ですが、広大さや爽快感が足りません。
大きな町も2つだけですし。
車関係はレースゲー苦手な私でも楽しく遊べましたが。


しかしFPS部分だけ抜き出すと傑作でしょう。
武器・弾薬(中には相手をマインドコントロールして爆発させるクロスボウの矢尻、などという酷いシロモノも)を切り替えながら攻略し、マップを進むのが快感になります。
これは面白い。
一方で洋ゲーっぽい不親切さも散見されます。
基本的に敵を倒すと弾薬やアイテムを入手出来るので、何気にとあるミッションを安請け合いしたところ、そこでは敵を倒しても死体が煙となって消えるだけで、弾薬・アイテムを落とさないので、弾丸が枯渇しそうになったりしました。
ミッションの前には必ずお店で弾薬購入をお薦めします。
特に終盤はかなり手強く、強い弾薬を大量に持って望むようにしましょう。

但し題名の「激怒」を思わせる部分は皆無。
id Softwareは内容と無関係の題名を付けて来た会社のようですが(『Doom』とか関係あるのかと思ってました(^^;)、本作は題名から想像されるような凄みはありません。
これは少々残念でした。


売りとなっていたグラフィックは俄然素晴らしい。
ドリュー・ストルザンのイラストに似た様式化された映像が60フレームでヌルヌル動いて、最初は驚きました。
但し60フレームって、すぐに慣れるのですよね。
このゲームは前進・後退すると徒歩の主観を模して左右に揺れるので、FPS初心者は酔う確率が高いと思います。
私も初日は30分で軽く酔いました。
よって3D酔いに強い人限定で強く推奨したいゲームです。


日本版はCERO Zとなると大方規制されるものが多いのに、パブリッシャーであるゼニマックス・アジアは日本では強気のローカライズをしています。
これはGMの意向が強いですね。
本作も然り。
ミュータントでなくとも、人間であっても首チョンパ、人体バラバラ木っ端微塵になり、暴力描写はかなりのもの。
Zになると修正されてしまうのは、ソフト会社の自主規制が強いのだと思います。
実際、以前CEROのインタヴュー記事を読んだら、「Zの上限を目指して欲しい」等と言っていましたし。
クリエイターの作ったものをそのまま出すゼニマックスには、改めて敬意を表したいですね。


FPS好き、シューター好きならば手に取って序盤は辛抱すれば、きっと楽しく遊べると思いますよ。


発売後に早々にクリアされたHAMAさんのレヴューもご参考まで。