days of cinema, music and food

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In Time


TIME/タイム』レイトショウ鑑賞をしました。
公開2日目の土曜20時50分からの回、シネコン大劇場で半分の入りだから良い方なんでは。
フィルム上映はかなり久々に思えました。


近未来のアメリカ。
全ての人間は25歳になると成長が止まる社会。
左腕に表示される時間が余命であり、通貨の代わりに時間を稼ぎ、売買されていました。
大富豪は数百年から数千年も余命があり、一方スラム街では余命1日の状態で肉体労働に励む人々ばかりです。
ウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)もスラム街の住人の1人。
だがある日、ギャングに狙われていた大富豪を救った事から余命100年以上の身分となり、富豪らが暮らすゾーンに侵入し、富裕一族の娘シルヴィア(アマンダ・セイフライド)と知り合います。
一方、時間取締官レイモンド(キリアン・マーフィ)はウィルの後を追いますが。


監督&脚本&製作のアンドリュー・ニコルは、処女作にして代表作『ガタカ』が素晴らしかったですね。
様式化された階級社会を描いた寓話的SFスリラーの佳作で、ファンも多い作品です。
無論、私も大好きな映画です。
本作は、同作を想起させる自動車走行音からしてニコル節(^^
イマジナリー・フォーシズのメイン・タイトル・デザインやプロダクション・デザインも、この人らしいものでした。
科学的裏付け皆無という批判もあるけれど、寓話と割り切って観たので、私自身はまるで気になりませんでした。


でも正直言って、これは『ガタカ』の劣化版で残念でした。
様式化された世界は魅力的だけど、アクションもスリルも切れが無く、わくわくする筈の場面も観ていてそうならない。アンドリュー・ニコルにアクションは似つかわしくないのでしょうか。
ロード・オブ・ウォー』とかそれなりに迫力あった記憶があるのですが。
でも主役のアマンダ・セイフライド(サイフリッド)とジャスティン・ティンバーレイクの2人は観ていて楽しかったです。
若くて勢いのある美男美女は目の保養。
眼福、眼福。
ティンバーレイクは勢い持続中だし、サイフリッド嬢も良かった!
追跡官役は不気味顔でお気に入りのキリアン・マーフィ
そう、『バットマン ビギンズ』のスケアクロウと言えば通りが良いでしょうか。
ウェス・クレイヴンの佳作スリラー『パニック・フライト』の印象的ですね。
出番も多いし、思いの外結構な大活躍を見せてくれます。
まぁ、マーフィはともかく出演者は美形が多く、ここら辺も『ガタカ』を思い出しました。


美という意味では、全編ニコル好みで統一されたプロダクション・デザインや、効果音なども素晴らしい。
雑多で活気のあるスラム街と、硬質で生気の無い富裕街。
往年のアメリカ車をベースにしたと思しき未来車も、つるんとしていてレトロモダン。
それでいて電気自動車の音。
美男美女達の顔触れもそうですが、目の保養になるこそすれ、作り込まれた世界観以外の深みを享受出来なかったのが残念でした。