Thief
マイケル・マンの映画監督デヴュー作『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』(1981)サントラCDを購入して、早速聴いてみました。
音楽はドイツのプログレッシヴ・バンド、タンジェリン・ドリーム。
懐かしいですねぇ。
リズムは打ち込み、ギターを模したようなハードな音も全て、シンセサイザーによるもの。
シンセロックとか言われていた音楽に近いのかな?
で、これが今聴いても結構イケるのではないでしょうか。
無機的かつ有機的という矛盾したかのような事を書いて煙に巻くつもりはありませんが、文字通りに両者が並存しているのが面白い。
映画同様に時に漆黒の、時に群青の闇を描き、モノトーンのハードボイルド調でありながらカラフル。
時に詩情も織り込まれていて、すっと心に入ってきます。
明確なメロディには乏しいものの、繰り返されるモチーフは散見され、決して聴きにくい作品ではありませんでした。
まぁしかし驚くのはですね、マンの首尾一貫した好みです。
マンの現代犯罪映画、つまり本作、『刑事グラハム/凍りついた欲望』、『マイアミ・バイス』(TVシリーズ)、『ヒート』、『インサイダー』、『コラテラル』、『マイアミ・バイス』(映画)と、作曲家や使用される楽曲こそ違えども、見事に統一されています。
この頑固さもまた、マンならではでしょう。
30年間、同じような音を追い求めているのですね。
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さて本作、ようやっと日本で初DVD化されるのです。
主人公は、昼は中古車ディーラー、夜はプロの金庫破りをしている男フランク(ジェームズ・カーン)。
師(ウィリー・ネルソン)の為に危険な組織の仕事を引き受けたばかりに、友人を殺害されてしまう。
妻子を逃し、家に火を放ったフランクは、単身組織に殴り込みをかける…という内容だったようです。
中学生の年末年始に1度だけTV放送され、それを録画して観たのですが、金庫破りを見せるタイトルバックと、師との獄中の会話場面などしか覚えていません。
映像と音楽は素晴らしかったけれども、全体に緊張感に欠ける出来だったと記憶しています。
実は映画後半に用意されている銃撃場面がガンマニア的には重要らしい…というのは、映画史上初めて実践的な銃撃アクション(コンバット・シューティング)が導入されたから。
公開当時、ガンマニアにはかなり衝撃的だったそうな。
「犯罪のプロは銃器のプロでもあるべき」とのマンの意思により、本作以降、『ヒート』『コラテラル』『マイアミ・バイス』と、スター達は実践的銃撃訓練を受ける事になるのですが、その路線第1作ですね。
まぁそんな映画なので面白そうなのですが、今見直すと映画への評価も変わるかなぁ…。
でもマイケル・マンの初期作品って、どれも枝葉素晴らしく幹がダメなのばかり、というのが私の中での評価なのですね。
初めて映画監督として評価出来たのが『ラスト・オブ・モヒカン』でしたから。
機会があったら再見したいですね。
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私としては『ラスト・オブ・モヒカン』『インサイダー』『ヒート』あたりをBlu-ray Discで出してもらいたいです。
この時期のマンが一番面白かったですね。
個人的な驚きは、二度と観る事が出来ないと思っていた1989年のTVドラマ『メイド・イン・L.A.』が500円DVDで出ている事です。
後に『ヒート』としてリメイクされるアクション・ドラマで、これは観たい。
以前住んでいた梶が谷のヴィデオレンタル屋に置いてあったVHSを借りずに後悔していたのですが、分からないものですね。
これは入手して観てみたいです。
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