days of cinema, music and food

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The Iron Lady


火曜の春分の日、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』を鑑賞しました。
TOHOシネマズ・デイで一人1.300円だったからか、13時25分からの回、205席の劇場は4割程度とそこそこの入り。
但し客層の年齢はかなり高めで、私が若手に入るくらい。
昨日のホームズではズレていたDLP上映も、小屋が違うとは言え安心して観られたのでホッとしました。


アルツハイマーとなったサッチャー老年期を主軸に、回想場面を入り混ぜて彼女の半生を描くドラマです。
フィリダ・ロイド監督は前作『マンマ・ミーア!』も楽しめこそすれ出来は感心しなかったのですが、残念ながら今回も同様。
優秀(らしいらしい)舞台監督が映画では同様とは限らないですね。
若き日の苦労した筈のエピソードも、各選挙も、政界からの退場も、とにかく感情面で盛り上がらない。
不要にがなり立てないのは好感が持てますが、淡々としているスタイルであっても、そこから何かが浮かび上がらなくてはならないでしょう。
しかし、そういう意図でもなさそう。
よって終幕の陳腐なメロドラマ展開が唐突に感じられて、観ていて白けてしまいました。
大げさに描く必要は無くとも、そこまで何らかの方法で心の琴線に触れてもらいたかった。
どうしてこんな事になったのでしょうか。


メリル・ストリープは流石に上手いけど、少なくとも私の想像以上もしくは想像外のサッチャー像ではありませんでした。
よって感心こそすれ驚きはありません。
ドラマも演技も想像内の範疇だと、観ていて安心するだけで、面白さには繋がらりません。
凡庸な映画、想像力に欠けた映画だと思いました。
夫デニス役の若き日を演じたハリー・ロイドと、老境を演じたジム・ブロードベント
それぞれ魅力的でした。
『007』の新作『スカイフォール』が控えるトーマス・ニューマンの音楽は、控え目に鳴っていましたね。