days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

フロレスタのドーナツに始まって…戦艦で終わる


昨夜、あかろんさんから頂いたフロレスタのドーナツを朝食に食しました。
小ぶりで可愛く、でも油ぎっしゅでくどくありません。
甘さも控え目。
私は知らなかったのですが、原料が有機食材を使ったのが売りのお店なんですね。
東京ミッドタウンに期間限定出店との事。
有難く頂きましたよ!


さてこの金曜日。
午後半休して映画を観に行きました。
お目当ては…そう、ジェームズ・キャメロン最大のヒット作『タイタニックIMAX 3D版です。


南町田のグランベリーモールにある109シネマズ、13時40分からの回は私も含めて10人程度の入りでした。
平日金曜ですから、これは致し方ないのかな。
私自身が劇場で観るのは3度目になります。
1-2度目は結婚前の妻と。
珍しく彼女のリクエストで2回も観たのだから、余程気に入ったのでしょうね。
それだけ女心を掴んだ映画だった、とも言えます。
それからDVDレンタルで自宅ホームシアターで観たのが7年前くらい。
スクィーズのDVDでしたねぇ。
ですから映画とは久々に再会したのでした。
酷い台詞や脇役の扱いのぞんざいさ、終幕の「泣ける」エピソードの数々も本筋とは有機的に絡まず、単なる羅列にはなっているけれども、それでも、それでもIMAX 3Dで観て良かったと心から思いました。


今までの私の評価としては、前半はレオナルド・ディカプリオが引っ張って、後半はケイト・ウィンスレットが引っ張る、との認識でした。
ところが、これは完全にケイト演ずるローズの物語だったのですね。
それと何より、IMAXの高画質によって、まだ若い主役2人の肌が艶かしいのです。
毛穴の1つ1つ、産毛が1本1本分かります。
いや、これは官能的と言って良いです。
これで実は少年少女の悲恋だったと強調され、私自身、映画への見方が変わったのです。
ドラマ部分の印象を変える力が、高画質&立体映像にあったとは、驚きました。
初公開当時、ロミオとジュリエットタイタニック版等と言われていましたが、今回のIMAX鑑賞でそれをかなり実感しました。
より、悲しさや切なさが伝わって来たと思います。
これは新しい発見です。
元々、脇役が薄っぺらいのは主役2人を浮き立たせる為の書割の背景と思っていたのですが、2人が文字通りより立体的に見えました。
間違いなく3Dの恩恵です。
後半のスリルの盛り上げはキャメロンならではですが、震災後の今は観ていてつらく思えるときもありました。


タイタニック IMAX 3D』は、間違いなく今年を代表する3D映画の1本です。
変換して大成功でした。
特に個人的に強烈だったのは終幕、死屍累々となった冷たく暗い海上を、救命ボートが進む場面。
ぷかぷか浮かぶ遺体の数々と、その上を静かに進む救命ボート…。
奥行きがあり立体的で、衝撃的でした。
スタントダブルの顔をスターに挿げ替えるデジタル特撮は、これが走りのようですね。
今となっては特撮のアラが散見され、甲板上を動き回る人もCGと分かります。
カメラアングルで船体が斜めに見せているのに人は甲板に直立とか、これらも高画質IMAXならではの見え方なのかも。


ジェームズ・ホーナーの音楽は、エンヤの『ブック・オブ・デイズ』パクリに聞こえて仕方ありませんでした。
まぁ、ホーナーだからかネ…と納得していましたが。
それでも素晴らしい映画的瞬間の裏方として機能している場面も多かったです。
音響も素晴らしかった。
IMAX万々歳!!


さて夜は妻子寝静まったミッドナイトショウ評論家となります。
今度はこの日が初日を迎えたハスブロー社の『トランスフォーマー』シリーズに続く、またもやオモチャ映画。
そう、『バトルシップ』です。

実はこの日は、テイラー・キッチュ祭りの日でもありました。
彼が同じく主演を努めた『ジョン・カーター』も初日でしたので。
しかしこちらはIMAX版で観たかったので、時間の都合で『バトルシップ』になったのです。
金曜23時25分からのデジタル上映は、何と40人以上の入り。
ミッドナイトショウにしては上映開始時刻が早かったのも、入りが良かった原因ではないでしょうか。


プロットは至極単純。
ハワイで日米など数カ国共同の軍事演習中、異星人が襲来、海域はバリアで出来た巨大ドームですっぽり覆われてしまいます。
才能はあるのに性格が災いして問題行動ばかりのボンクラなアレックス(テイラー・キッチュ)が、優秀な自衛隊員(浅野忠信)らと迎え撃つ!


笑いどころ、突っ込みどころ満載の映画ですが、何に1番ウケたかと言うと、まさかあの懐かしの「戦艦ゲーム」を本当に映像化しているところ。
小学生のときに好きだったあのゲームと、まさか大画面で再会するとは思いませんでしたよ、えぇ。
もしあのテーブルゲームを遊んだ記憶がある方ならばは、まさかあんな映像化をするとはと、笑ってしまう事請け合いです。
ともあれ全編のんびりと楽しめました。
宇宙人登場もあっさりしたもので、意外にもったい付けていません。
彼らの宇宙服は、傑作SFホラーゲーム『DEAD SPACE』のモロパクリでしたけどね(まぁ嬉しかったけど)。
インデペンデンス・デイ』みたいに弱いのかと思いきや、これがかなり強い。
ヘルメット取っても強い。
そこそこハラハラさせられます。


最大の突っ込みどころは、多くの人が「この映画、"戦艦"じゃなく"駆逐艦"だろ」と思うであろうところを、最後の最後に楽しいやり方でひっくり返すところ。
しかもパールハーバー自衛隊の登場の意義もちゃんとあって、ここは感心しました。
全体的に大らかに楽しめるのに、要所要所は「そうか!」と喜ばせてくれる作り、燃えさせてくれる作りになっているのです。
これが単に傲慢で自己愛の塊で醜悪な、マイケル・ベイ作品との大きな違いでした。
俳優でもあるピーター・バーグは『キングダム/見えざる敵』『ハンコック』しか観ていませんでしたが、結構手堅い演出をする印象の監督でした。
本作では確信犯的にバカ映画を作ってるけれど、根っこはきちんと観客を喜ばせようと意識した映画になっています。
そこに好印象を抱きました。
浅野忠信テイラー・キッチュの単なる引き立て役でなく、最高に美味しい役。
音楽は日系三世で『トランスフォーマー』シリーズのスティーヴ・ジャブロンスキー
指揮は『メタルギア・ソリッド2』等のニック・グレニー=スミス
まぁ、いつものジャブロンスキー音楽なのですが。


前述したようにテイラー・キッチュ祭りの1本であっても、正直彼にはピンと来ませんでした。
隣のやんちゃなお兄ちゃんなのは良くとも、もっとカリスマ性が欲しい。
その優秀な兄役アレクサンダー・スカルスガルド(TV『トゥルー・ブラッド』)は最近よく見ますね。
私が先日観たメランコリア』にも出ていましたし。
売れっ子なんですね。
登場して最初はヴィゴ・モーテンセンが若く整形?等と思いましたよ(^^;
ブルックリン・デッカーが演じる主人公の恋人も、単なる飾りもののモデル系セクシー美女ではなく、知的で行動的な女性として描かれています。
これも『トランスフォーマー』シリーズへのアンチテーゼでしょうね。
このご時世に珍しく、通常の35mmフィルム撮影作品でしたが、そのクラシックな仕様もぴったりの、意外にも娯楽映画の王道を行く作りなのも良かったです。


今日観た映画はどちらも、ホームシアターでは再現不可能な大画面&轟音が似つかわしい映画でした。