days of cinema, music and food

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This Means War


アクション・コメディの新作『Black & White/ブラック & ホワイト』をミッドナイトショウで鑑賞しました。
公開初日の金曜23時25分からの回、劇場は15人程の入りです。


凄腕スパイの2人組み、FDR(クリス・パイン)とタック(トム・ハーディ)はタダの親友以上の仲の良さ。
ですがそれぞれ別々に知り合ったローレン(リース・ウィザースプーン)に惚れてしまい、仲が険悪になっていきます。
ローレンも2人の魅力的な男性に心惹かれ、二股掛ける罪悪感を抱くものの、どちらにするか決めかねてしまいます。
国家予算を使ったFDRとタックのお互いの妨害作戦はエスカレートして行きますが、一方で凶悪犯のハインリッヒ(ティル・シュヴァイガー)は、2人に殺された弟の復讐の機会を伺っていたのでした。


意味不明の邦題は男2人の服に無理やりこじつけたのかな?
FDRは黒スーツに白ワイシャツ、タックは全身黒づくめの恰好の場面ありましたから。
何にせよ強引で記憶に残らない、原題の「こいつは戦争だ」とはかけ離れた邦題なのは違いありません。
さて私としては、劇場で観るのは相当に久々のリース・ウィザースプーンを楽しみにしていました。
しかし残念、余り実力が生かされていなかったような気がします。
この人はもっと面白い演技が出来るのだと思うのですが、勿体無い。
全体にアクションとラブコメのバランスが悪く、どっちを狙っているのか分かりにくい作りに難があるのです。
監督のマックGはラブコメよりもアクションに興味があるようで、登場人物の感情がぶつ切れ気味で説得力がありません。
脚本も粗く、納得のいかないところも多い。
特に何が1番納得がいかないかというと、FDRに何故ヒロインが惹かれるのか、というところでした。
FDRってバブル時代を引きずっているかのような、うわべだけの男にしか見えません。
またローレンの女親友が格言めいた事を言うけれども、FDRはそれに当てはまっているのか、ホントに?
これはクリス・パインの責任ではなく、脚本のせいでもあります。
相棒役トム・ハーディはワイルドな英国男で、ちゃらちゃらしたパインとは好対照で面白かったです。
本来主眼となる筈なのは男女3人の三角関係で、ワル面だけで起用されたティル・シュヴァイガーの悪役なんてどうでも良い扱いでした。
忘れた頃に登場するので笑ってしまいます。


監督は『チャーリーズ・エンジェル』シリーズや『ターミネーター4』のマックGだから、正直言って予想通りにこんなもんか、という出来でした。
アクションも笑いも色気も適度にあって、1時間半強そこそこ楽しめるという、暇つぶし娯楽映画としては成立しています。
でもスパイが職権乱用でハイテク使って恋愛沙汰って、『トゥルーライズ』の方が面白かったですね。
こちらも時々笑わせてくれますけれども。
男2人のホモソーシャルな描写は最近の流行なのでしょう。