Ladyhawke
1985年の映画ですから、リチャード・ドナー中期の作品と言って良いのでしょう。
『レディホーク』サントラCDを懐かしい思いで聴きました。
映画は中世ヨーロッパを舞台にした剣と魔法とロマンスを絡めた活劇で、主役(というか狂言回し)のコソ泥少年にマシュー・ブロデリック。
黒騎士にルトガー・ハウアー。
美女にミシェル・ファイファーという布陣でした。
そうそう、彼女は私にとってスクリーン上の初恋の人なのです。
眩い美しさにクラクラ来たものですが、後年のやや不健康路線の方がさらに綺麗になっていますよね。
他にアルフレッド・モリナも出ていたようなのですが、記憶にありません。
私は中学生のときにこの映画を弟と一緒に渋谷パンテオンの70mm上映で観て、これで名撮影監督ヴィットリオ・ストラーロの名を覚えました。
大画面で描かれるロングショットの平原や重厚な石造りの建物など、画が印象的な映画でもありました。
特撮には頼らない、最初から最後まで楽しめるロマンティックな活劇だったと記憶していますが、今見直すとまた違うかも知れませんね。
廉価版Blu-ray Discも出ているので買って観てみたいのですが、さてどうなるやら。
名編集者スチュアート・ベアードのカッティングがどうだったのか等、好奇心をそそられます。
さて音楽ですが、作曲&指揮はアンドリュー・パウエル。
プロデュースはアラン・パーソンズ・プロジェクトのアラン・パーソンズ。
パウエル自身も同プロジェクトのオーケストレイターです。
演奏はフィルハーモニア管弦楽団。
名門ですね。
問題はこの音楽、ロックミュージックがかなりフィーチャーされている事。
冒頭のメインタイトルも弦主体に幻想的な雰囲気で始まります。
そこにキラキラしたエレクトニック・ピアノとシンセが被さり、盛り上がったところに金管がタイトルの登場を高らかに告げます。
少々調子が外された感があるところにベースギターがリズムを刻み始め、シンセとエレキギターがガンガン鳴り、オケと交互に旋律を奏でます…
公開当時、ストラーロの映像美を台無しにしたという批判もあり、半分は当たってるかなと思います。
しかしかつてLPで買って、何度も何度も聴いて楽しめたのも事実なのです。
超ロングショットで追手を描いたショットでの、いきなりリズムが変わるところなど、音楽のカッコ良さに痺れました。
今思うと編拍子ビシバシのプログレッシブロック好きの萌芽は、ここにあったのかも知れません。
今聴くとさすがに「音」が若干古いけれども、高揚感もあるし、活劇お伽の劇伴として十分に機能してるのでは、と弁護しておきましょう。
これはもう、好き嫌いのはっきり分かれる音楽なのですから。
フルオケのみ、もしくはシンセは味付け程度の音楽でも聴きたかったとは思いますが、アラン・パーソンズ・プロジェクトに依頼した時点で、リチャード・ドナーと後の夫人ローレン・シュラー(ローレン・シュラー・ドナー)はこの路線で行きたかったのでしょう。
もちろん、時代遅れと目されていたファンタジー映画に若者を呼ぶ為に日和った可能性も高いですが。
さて、ジョーン・ヴィンジのノヴェライズが細やかで素晴らしい出来だったと記憶しています。
- 作者: ジョーン・ヴィンジ,野田昌宏
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1985/06
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (1件) を見る
本書について書かれている文章を見つけたのでリンクしておきます。
Ladyhawke: Original Motion Picture Soundtrack
- アーティスト: Andrew Powell
- 出版社/メーカー: Gnp Crescendo
- 発売日: 1996/04/11
- メディア: CD
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る
本サントラCDは国内アマゾンで買うとバカ高いので、Amazon.com等に注文するのも手です。