days of cinema, music and food

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"Novecento" and "Il quarto stato"


先日第1部をBlu-ray Discで観たベルナルド・ベルトルッチの傑作ドラマ、『1900年』のテーマ曲が耳から離れません。
映画では冒頭のタイトルで流れるエンニオ・モリコーネ作曲の名曲『ロマンツォ(Romanzo)』です。
私はこの映画の音楽は彼の傑作の1つだと思っています。
静かに始まるものの、大河のように徐々に太く、雄大に流れて行く流麗なメロディ。
それは時代の流れだけではなく、映画の登場人物達の運命にも聴こえていきます。
何度聴いても、いつ聴いても美しい。
やはりモリコーネはメロディの達人です。


それと同時に、そのタイトルバックで映し出されていた絵画も頭に付いて離れません。
その画は、ジュゼッペ・ペリッツァ・ヴォルペードが描いた『第4階級』。
劇中で物語が始まるのと同年である1901年に描かれた画というのは偶然なのでしょうか。
この動画はモリコーネの曲と『第4階級』を使って、映画の冒頭を再現したもの。


第1階級は教会を。
第2階級は貴族を。
第3階級はブルジョアを。
第4階級はプロレタリアを意味します。
この画のテーマはその第4階級であるプロレタリア。
細長い点で描かれた点描画らしい柔らかいタッチだからこそ、労働者たちの意思がかえって伝わってくるかのようです。
特に中心人物である髭の男性の静かな、強い表情が印象的ですね。
農民たちの自立と社会主義を描いた映画に相応しい画だと思います。


2010年からはミラノのドゥオモ広場にある、その名もノヴェチェント(映画の原題と同じく「1900年代」の意)美術館に所蔵されているそうです。
ミラノ再訪の機会があったら、是非とも現物を見てみたいものです。


1900年 オリジナル・サウンドトラック

1900年 オリジナル・サウンドトラック