days of cinema, music and food

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Act of Valor


現役ネイビー・シールズ隊員が出演しており、撮影でも実弾を使用したと話題のアクション映画『ネイビーシールズ』を観て来ました。
金曜夜、公開2週目の0時10分からの回は13人程の入り。
今回は近所の特殊部隊好きなM田さんと一緒です。
お互いに子持ちなので、子供達が寝静まってから…という事情によります。


テロリストを追うCIAエージェントが、コスタリカでテロ組織に拉致されます。
救出を要請されたアメリカ海軍特殊部隊のネイビーシールズは目的地に向かい、瞬く間に任務を完了。
しかし現場で押収された携帯電話から、大規模テロ計画が発覚します。


前述のように現役のシールズ隊員が俳優として起用された、リアリズム路線のアクション映画です。
企画にはトム・クランシーも参加。
映画は中々面白く観られましたが、特殊部隊とテロ組織ではかなり一方的な交戦なんだなとも思いました。
装備からして全然違いますから。
シールズが使用する紙飛行機みたいな偵察機や、通信衛星電話等、ガジェットにも興味惹かれました。
また原子力潜水艦を使っての潜入等も本物を使っているので迫力満点です。


一応、シールズ隊員2人に焦点を当てているドラマらしきものもありますが、あまり本筋にも心の琴線にも絡みません。
一般的な映画の成立の為の言い訳みたいなものでした。
だから中盤以降は、特殊部隊の作戦遂行場面の連打でガンガン飛ばしていきます。
その潔さに感心しました。
演出はひたすら臨場感醸成に心を砕いています。
銃撃戦では引きの画は殆ど使わず、寄りの画中心。
時には兵士の主観映像も挿入し、観客をシールズ隊員の目で疑似体験させようとします。
前半はエモーショナルなつもりのスローモーション使用過多が気になりましたが、中盤以降は作戦遂行=ドンパチ畳み掛け。
完全に映画評論家から嫌われそうな作りですが、これはこれで良いと思いました。
だって観客がこの映画に望むのは、本物の迫力なのですから。


演出のタイミングで感心したのは、最初の作戦で川に車突っ込んでからボート出現のくだりくらい。
スター・ウォーズ』ラストのハン・ソロが助けに来てくれたかのような、ああいった感じです。
過去の映画を想起させたのは何箇所かありました。
テロ組織の爆弾は『ブラック・サンデー』の、銃撃戦撮影技法は『ヒート』の影響を感じました。


やはりミリタリーFPS(ファースト・パーソン・シューター)ゲームの影響はモロにありました。
前述した主観映像もそうですが、映画の作りそのものがそう。
構成が『コール オブ デューティ4 モダン ウォーフェア』みたい。
でも案外ストイックな作りで、ハリウッド娯楽映画だったら終幕にもう1場面見せ場をこさえそうでした。
例えばニコール・キッドマンジョージ・クルーニー主演のアクション・スリラー『ピースメイカー』クライマクスみたいな。
でもこの映画では結構あっさりカタが着いてしまいます。
M田さんもおっしゃっていましたが、案外現実はそんなものなのかも知れません。


序盤のドラマ部分はフィルム撮影もりましたが、それ以降は殆どHD撮影だった模様です。
予告でもフィルム撮影映画は『終の信託』『ダークナイト ライジング』だけのよう。
映画のデジタル化は本当にここ1-2年で実感します。


男同士で映画を観に行くのは結婚以来相当久々ではないでしょうか。
帰路のお喋りも楽しかったです。
観たのが「男の子」の映画だからというのもありましょう。
M田さん、お付き合いありがとうございました。
また行きましょう!