days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Man on a Ledge


崖っぷちの男』公開初日の土曜夜のミッドナイトショウ鑑賞は、意外にも20人以上の入りでした。
結構ヒットしているのですね。


汚職警官として実刑25年が確定したニック(サム・ワーシントン)は、父の葬儀の際に警官の隙を突いて脱走します。
そして1か月後。
ニックはマンハッタンの老舗ホテルの21階窓際から飛び降り自殺しようとして、大騒ぎとなります。
しかし交渉人として指名された刑事リディア(エリザベス・バンクス)は、彼の真意は他にあると睨みます。
一方、ニックの弟ジョーイ(ジェイミー・ベル)とその恋人アンジージェネシス・ロドリゲス)は、近くのビルへの侵入を試みます。
彼らの狙いとは?


高所恐怖症の私には設定だけで手に汗握る映画でした。
そうでない人は割り引く必要があるかも知れません。
ともあれ、観客に対するサーヴィス精神旺盛な余り、穴がいくつもある脚本を、演出の勢いで見せようという意欲的な娯楽作には違いありません。
飛び降り自殺という題材をこういう内容と絡ませたか、という面白さがありました。
設定からすると快作『フォーン・ブース』みたいな映画化と思っていましたが、さにあらず。
内容盛りだくさんでした。
いや、脚本はいささかやり過ぎの感もありましたし、偶然に頼り過ぎだしで、突っ込みどころは多い。
しかし次から次へとテンポ良く繰り出す事件の数々に、終盤には危機また危機の連続で観客を喜ばせようという奮闘振りもあって、まぁ目をつむっておこうかという気にもなります。
ドキュメンタリ出身でこれが初監督のアスガー・レスの演出も頑張っていた感があったお蔭で、上映時間の間、結構楽しめました。
贔屓のエリザベス・バンクスの奮闘振りも感情移入させます。
先日Blu-ray Discで観たプライベート・ライアン』の頃に比べて、すっかり恰幅の良くなったエドワード・バーンズにも味があっりました。
ちょっと嬉しかったのは、人相が悪くて悪役が多い、ジョン・ヴォイトアンジェリーナ・ジョリー父)似のウィリアム・サドラーが、結構な儲け役だった事。
出番が少なくても出ているだけで楽しい雰囲気がありました。
珍しく普通の(じゃないか)人間役のサム・ワーシントンも頑張っていて良かったですね。


楽しめたて言うのにナニですが、この映画や『ペントハウス』を見ると、もっと観客を騙してくれる緻密な計画犯罪映画を観たいな、と思ってしまうのも確かです。
子供の時に夢中になったTVシリーズスパイ大作戦』も今見たら分からないけれども、あんな風に最後の最後に合点が行って気持ち良く騙される映画って中々ないものなのかなぁ…と嘆息もついたのでした。
ともあれ最後まで楽しく観られた映画ではあります。