days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

The Avengers: The IMAX Experience


アベンジャーズIMAX 3D版を南町田にある109シネマズ グランベリーモールにて鑑賞しました。
公開2日目の土曜朝10時からの回、341席の劇場の入りは半分くらいでしょうか。


神々の国アルガルドを追放されたロキ(トム・ヒドルストン)は、宇宙人の種族チタウリを手を組み、地球支配を画策します。
ロキは国際平和維持組織シールドの地下基地を襲撃し、無尽蔵のエネルギーを蓄えている謎の四次元キューブを強奪、長官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)の目の前でその優秀な部下ホークアイジェレミー・レナー)らの精神を乗っ取り、自らの部下にしてしまいます。
地球の危機に対する為にシールドはブラックウィドウスカーレット・ヨハンソン)、コールソン(クラーク・グレッグ)らエージェントを使い、スーパーヒーロー達を招集します。
天才的発明家にして超大富豪のトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)/アイアンマン。
天才的物理学者ブルース・バナー(マーク・ラファロ)/怒れる緑の巨人ハルク。
誰よりも正義感である改造人間兵士スティーヴ・ロジャーズ/キャプテン・アメリカクリス・エヴァンス)…。
さらになロキの義兄にして雷神ソー(クリス・ヘムズワース)も参戦し、圧倒的破壊力を持つ敵を迎え撃つ事になります。
しかし個性が強過ぎる面々により、チーム・アベンジャーズは崩壊状態となってしまいます。


これも『ダークナイト ライジング』同様にネタバレを避けて語るのは難しいです。
まぁ映画って、良いところは大体ネタバレ場面ですよね。
寝不足故に中盤のドラマ部分で若干の睡魔に襲われましたが、それ以外はとても楽しく観られました。
後半で見せる笑いと緊張と迫力、盛り上がり。
夏休みに相応しい娯楽映画大作とはこの事。
最近のアメコミ映画は深刻ぶったのが多いので、こういう陽性娯楽大活劇超大作映画は大歓迎です。


しかしジョス・ウェドン(ジョス・ウィードン)の見事な脚本と演出には感心させられます。
主要人物が多いのに、脇役にまでドラマや見せ場を用意していて、それが過剰に感じられません。
これは並大抵の事じゃないですよ。
同じような場面があった『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』と比べると、如何にウェドンと、あちらのマイケル・ベイの資質に違いがあるのかはっきりしています。
また、感情的な盛り上がり場面もきちんと用意されているので観客に感情移入させてくれます。
主要人物のスターク、キャプテン・アメリカ、ソーの中では、やはりトニー・スタークが美味しい役でした。
相変わらず、傲慢不遜にしておふざけ屋の超大金持ちの不良中年振りで笑わせてくれます。
しかし何気に花を持たせているのがキャプテン・アメリカ
エージェント・コールソン(クラーク・グレッグ好演)の憧れに満ちた眼差しは、理想のスーパーヒーローへの眼差しそのものです。
ウェドンはコールソンに自らを重ね合わせたと考えるのは、難しい事ではありませんでした。


個人的にはバナー博士/ハルク役マーク・ラファロも良かったです。
内向的な科学者という役でありながら、単なる記号ではなく、血肉が通っていて。
こういう細やかさがこの手の映画では大事です。
彼と絡むある老名優の場面も大笑いしました。


そう、これは笑える映画でもあったのです。
ギャグがいちいち面白い。
でも残念ながら、笑っている客が意外に少ないのが寂しい…(妻に言わせると私だけだ、との厳しい言葉も…)。
しかしクライマクスにおけるハルクがらみの2か所と、最後の最後の場面では爆笑が起きていて安心(?)しました。
後に残るものは数少なくとも、サーヴィス精神満点の映画として楽しませてもらいました。


エンドタイトルのデザインは素晴らしいけど、そこに流れるのも含めて、全体的にアラン・シルヴェストリの音楽は残念でした。
近年の彼は派手に鳴っていても耳に残るメロディが無く、全く印象に残らない曲ばかりです。
昨年の『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー』もそうでした。
バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『プレデター』、『アビス』のようなメロディメイカーは何処へ。
才能が枯渇してしまったのでしょうか。


IMAX 3D上映はやはり音響は素晴らしい。
3D効果はほどほどで、2Dでも良いかもと思いました。
2D/3D変換映画なのだから、もっと被写界深度を強調した画の方が効果があるのだろうけど、それだと映画のスタイルに合わないのでしょう。
3Dの使い方は難しいなぁ。


それと元々の上映フォーマットは1.85:1前提で、この手の大作にしては珍しく2.35:1ではありません。
最初、IMDbで観て誤記だと思ったくらいです。
しかしこの選択は、最初から1.44:1フォーマットのIMAX用として意識していたのかな、と勘繰れなくもありません。


ウェドン作品は初めてでしたが、次回作も期待したいです。
2015年公開予定の『アベンジャーズ2』もね!