days of cinema, music and food

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Tony Scott died...


仕事中にTwitterでニュース等眺めていたら、いきなり飛び込んで来たのがトニー・スコットが自殺した、というものでした。
土曜日深夜に観たTHE GREY 凍える太陽』は兄リドリー・スコットとトニーによるプロダクション、スコット・フリー製作によるもので、リドリーは製作者として、トニーは製作総指揮として名を連ねていました。
同作のジョー・カーナハン監督の前作『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』も同様でしたのを思い出したので、この少々歳の離れた兄弟は相変わらず仲良く、忙しく活躍しているなぁと思っていた矢先でした。
それだけに驚きました。


兄と共にCF業界で成功し、『エイリアン』『ブレードランナー』等を発表していた兄の後を追って渡米し、ジェリー・ブラッカイマーの元で『トップガン』で大ヒット作を飛ばします。
芸術家肌の兄に対して、弟は娯楽性重視の作風と言われていて、実際私もそのように思っていました。
でもよく考えると、処女作『ハンガー』は兄の世界に近い、アートフィルム調ホラー映画でした。
トップガン』でも3回もクビにされかかったと伝え聞きますし、ハリウッドで活動して行くには色々と葛藤もあったのかも知れません。


私はリドリーが大好きなのに対し、弟はチャカチャカした映像と共に余り好きではなかったです。
しかし娯楽映画としての語り口、物語をきちんと語る手腕に関して言えば、冷静に観ると弟の方が上だと思う事が多かったのも事実。
クリムゾン・タイド』『スパイ・ゲーム』、それに遺作となった『アンストッパブル』の3本は傑作でした。
他にも『ハンガー』『トゥルー・ロマンス』『マイ・ボディガード』『デジャヴ』等も好きです。


ここで追悼の意味もあって、トニー・スコット作品のレヴューなりのリンクを張っておきましょう。


私生活では年の離れた美人妻との間に2人の十代の男の子がいて、経済的にも大成功、先日は『トップガン2』の製作も正式にスタートしたばかりだというのに。
目撃者によると躊躇なく柵を登って飛び降りたとの事から、映画業界では間違いなく成功者に一体何が起きたのか。
兄リドリーはショックを受け、新作の撮影を中断したといいます。
68歳とまだまだ働ける年齢なのに、惜しい監督を失いました。
自殺の原因は手術不可能な脳腫瘍とも、そうでないとも伝えられ、真相は闇の中。
本人なりの苦しみがあったのでしょうね。
思えば、最後に『アンストッパブル』という傑作を残してくれたのが慰めでしょうか。
楽しい映画をありがとう。
合掌。