days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Mirror Mirror


白雪姫と鏡の女王』をミッドナイトショウ鑑賞しました。
金曜深夜23時25分からの回は私を含めて6人の入り。
先週末から始まったというのに寂しいものです。
もっとも題材からして日中は人が入っているのかも知れませんが。


父王が暗い森にて消えてから十年余。
邪悪な継母(ジュリア・ロバーツ)に半ば幽閉、虐げられてきた白雪姫(リリー・コリンズ)は18歳になった日、忠実な召使によって十余年振りに外の世界を観ます。
そこで彼女が観たのは王国の荒廃ぶり。
継母による放漫財政によって、国は荒れ果ててしまったのでした。
そして白雪姫はハンサムな王子(アーミー・ハマー)と出会います。


本国アメリカでは不評でコケただけに期待を低くして観たからか、意外に面白かったです。
監督はターセム・シン
昨年観た『インモータルズ-神々の戦い-』に続けての作品ですが、まるで毛色の違う題材なのが面白い。
正直に言って映像以外は期待していなかったのですが、これが軽妙なお伽噺調で楽しめたのでした。
但しターセムはコメディ演出は余り得意でなさそうで、もっと笑いが弾けても良いのにと思う箇所が目立ちます。
笑える箇所は役者に助けられた感じでした。
嬉しいのは注目のイケメン、アーミー・ハマーの芸達者振りです。
ソーシャル・ネットワーク』で双子のウィンクルボス兄弟、『J・エドガー』で公私に渡るフーヴァーのパートナーを演じた注目株は、コメディもイケる人だったのでした。
特に後半の薬盛られてからの演技には大笑いしました。
そうだよねぇ、犬系だよねぇと納得しましたよ。
これからも楽しみな俳優です。
でも裸の場面なぞ監督にもっと笑いのセンスがあれば…と勿体無く思いました。
久々に観たネイサン・レインも笑いました。
絵に描いたような小心振りが可笑しい。
ジュリア・ロバーツは残念ながら笑えず。
これは監督の力量なのか、演技力なのか。
ヒロインのリリー・コリンズは、いまどきにしては真っ黒ぶっとい眉も含めて、映画が始まると可愛いく見えて来ます。
フィル・コリンズの娘と言うのにびっくりです(5度の結婚をしているから、何番目の夫人との子供か分かりませんが)。
そして最後に登場するあの人、まるで知らなかったので驚いたし嬉しかったですね。


石岡瑛子の相変わらずアクが強く奇っ怪な衣装の数々は、特に衛兵なんぞかなり浮いていて、映るとすぐ目が行ってしまう。
でも最近クセになったのか嫌いではありません。
舞踏会での白雪姫の白鳥姿、あれはビョークのパロディですよね??(←違う)


美女と野獣』『アラジン』等のディズニーアニメ映画で一時代を築いたアラン・メンケンの音楽は楽しい。
往年のパワーこそ薄れたものの、映画自体が「これはお伽噺ですよ」と言っているかのような曲の数々。
そしてエンドクレジットは見もの聴きもの!
ターセム初のボリウッドミュージカル映画です!
インド人監督としてはやりたかったのでしょうね。


スノーホワイト』と『白雪姫と鏡の女王』、どっちが良かったかというと、それぞれ欠点は抱えているけれども、こちらの方が素直に楽しめました。
興業的にはあちらの方が成功を収め、こちらは失敗と伝えられていましたが。
ダークに、リアリスティックにやれば何でも面白くなるというもんじゃない、という事なのでしょう。
その分きちんと作らないと粗も見えて来ますしね(そこら辺はあちらの感想に記しています)。
本作は最初からお伽噺のパロディと分かる作りなので、白雪姫の造形がもっと強くても良いのではないか等、多少の欠点には目を瞑りたくなりました。
多少子供向けの作りであっても。