days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Resident Evil: Retribution


朝一は娘を『映画ジュエルペット スウィーツダンスプリンセス』に連れて行き、やはり内容的には子供向け過ぎて睡魔に襲われた日の夜(「ぱぱ、ほとんどねてた?」)、大ヒット中と伝え聞く『バイオハザードV リトリビューション』をミッドナイトショウ鑑賞しました。
土曜夜の23時50分からの回は、豪雨にも関わらず40人程の入りと結構な入りです。


アリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)はアンブレラ社の地下基地に囚われていました。
同社に寝返ったジル(シエンナ・ギロリー)の拷問を受けるものの、アリスは隙を付いて脱出し、エイダ(リー・ビンビン)という中国美女スパイと合流します。
エイダが言うには、アンブレラ社と敵対するようになったウェスカー(ショーン・ロバーツ)が送り込んだ救出グループと合流して脱出せよ、というのです。
ジルの執拗な追跡を受ける彼らでしたが。



ネット上で悪評を散々目にしたので全く期待していなかったからか、案外楽しめてしまいました。
いや全くもって酷い映画には違いありません。
何が酷いって、これって30分くらいの内容を思いっきり96分に引き伸ばした映画なのです。
いや、シリーズ全体という物語を考えたら、全く先に進んでいません。
前作のラストでかすかに期待したこちらの身にもなって下さい。
冒頭でいきなり水増しなのも酷いし、延々続く緊張感のない銃撃戦も酷いし、エンドクレジットのゆ〜ったりしたスクロール10分余もいらいらさせて酷い。
散々規模が大きい映画のくせして、クライマクスは小規模アクション、そこも切れが悪いしですし…。
物語は完全にゲームのようなミッション制になっているのですが、ステージが移動するだけで、内容が起伏に富んでいる訳ではありません。
ジョン・カーペンターの愛すべき駄作『ゴースト・オブ・マーズ』より派手な分、見栄えはしますが。
ゲームだったら手を変え品を変えで難所を用意して、飽きさせないようにしますよ。
それがこっちは銃撃アクションメインで、たまにスローモーションでハッタリ効かせた接近戦がある程度。
面白かったのは前作にも登場した拷問処刑巨人×2人との戦いくらいで、そこは3D効果も効いていましたしね。


この手の映画を観る度に疑問に思うのは、主人公達は全く弾切れせず、弾倉も変えず、堂々仁王立ち状態なのに、敵の弾は全く当たらないという銃撃戦に、どんな価値があると作り手達は考えているのか、という事です。
緊張も迫力も無く延々続く銃撃戦なぞ、映画を停滞させるだけで全く無価値ですよ。
この映画の銃撃戦はソレなのです。
ジル戦もゲームの『5』で妻との協力プレイで散々苦労しただけに、何じゃあの呆気なさはと、力が抜けました。
3D効果も前作の方が丁寧に作っていた感じで、今回は手抜きなのか安心したのか、粗い。
完結編らしい次作への単なる繋ぎで、スタッフはやる気無しかいなと言いたくなります。
いや、シリーズのクリエイターである脚本&監督のポール・W・S・アンダーソンのやる気が無いのか、あるいは引き伸ばして銭儲けするだけの映画なのでしょう。
ともかく、他にも突っ込みどころ満載の映画なのは確かです。


…とまぁ全く酷いものなのですが、シリーズ初登場のエイダがゲームにそっくりでしかも美女だったり、ゴツいレオンにそりゃないだろと笑ったり、過去作の死んだキャラも総登場かいなと苦笑したりで、出来の悪さを楽しんでしまいました。
最初から高尚な顔をしていないですしね。
あんなに大風呂敷広げたラストだから、次回はアリスもゾンビも怪物も多種多様に大量に出て、大暴れを期待して良いんですよね?
そういう儚い期待はさせてもらいましょう。
ところで過去シリーズ作では脱ぎまくっていたミラ、今度のは何でしょう。
どうせ低俗映画なのだから、カッコ付けなくても良いのに。
それとも夫アンダーソンの意向でしょうか。
だとしたら間違っていますよ。