days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Max Payne 3


Grand Theft Auto』『Red Dead redemption』等で知られるロックスター社による新作『マックス・ペイン3』、Xbox 360版のキャンペーンモードをクリアしました。
全部で十数時間くらいかかったでしょうか。
内容は南米ブラジルを舞台にしたハードボイルドでした。
妻子を殺されてかつては復讐の鬼と化したN.Y.の元刑事マックス・ペインは、今ではブラジルのとある富豪一家のボディガードとして働いています。
酒と鎮痛剤に溺れる彼が、しかし一家の一員を謎の武装集団に誘拐された事から、事件の真相に迫っていく、というもの。
ノローグもやたら入ります。


中々面白かったです。
が、物語自体は頭の悪い猪突猛進型の主人公が大暴れ⇒失敗⇒大暴れという連続で、シナリオ自体は褒められたものではありません。
映画だったらボツ間違いなしか、良くてB級映画でしょう。
脚本は馬鹿馬鹿しい限りです。
しかも結構長いムービー部分が、先日亡くなったトニー・スコットもかくやという落ち着かない映像ばかり。
ブレたり台詞の一部がタイポグラフィで画面上に強調されたりで、開始直後は非常にストレスを感じました。
しかしそれも慣れて来ると楽しめるようになって来たのです。
というのは、ゲームとして状況の変化に富んでいるドンパチプレイがとても面白かったのでした。
基本的には乱射乱撃アクションなのですが、その状況が面白い。
ジャンプするモーターボートの船上からスローモーションで敵を倒したり、ライフルでもって味方を護衛したり。
単調にならないのがとても良い。


キャンペーン・モード・クリア後は、各ステージ毎の攻略も可能らしいので、再挑戦してみたいです。
しかしよくもまぁというくらいに死にまくりました。
ドンパチに集中しているといつの間にかライフが無くなりゲームオーヴァー、というパターンが多かったです。
ライフ回復が最近流行の自動回復でなくアイテム制で、そのアイテムも余り落ちていないのです。
余りに弾幕ばらまき過ぎると弾切れになりますし。
敵兵を倒したらその武器弾薬を拾うのは可能ですが、そやつらが手近に居なくて、でも敵が多い場合は困ります。
死にまくると、復活後に弾薬が多少増えていたように思ったのは、勘違いだったのでしょうか。


感じたのは、リアルなハードボイルド物語とドンパチランボーアクションは両立不可能ではないか、という事でした。
何しろゲーム中での主人公は、クリア時点で千人程殺害するのだ。そんなの現実であり得ない。
では大傑作『Red Dead Redemption』はどうだったかと言うと、やはり千人程殺害していました。
でもあちらは怪奇的なものも挿入されていたからか、何となく許せてしまったのですよね。
こちらは現代を舞台にした、ムービー部分は一応リアリスティックでシリアスな路線を志向しています。
ですから徹頭徹尾シリアスなムービー部分と、乱射乱撃プレイ部分の差異に凄く違和感があったゲームでもあったのです。
ゲーム部分は面白いのですけれどもね。


そのゲーム部分ですが、普通のTPSとして遊ぶと凡ゲーと勘違いされてしまいそうでした。
地味に遮蔽物にカバーしてチマチマ敵を倒していくのではなく、自らバレットタイム(『マトリックス』で有名にあったアレですね)等を駆使して、派手に敵陣に突っ込んで殲滅するゲームなのですよね。
発売元もそこをもっと売りにしないといけないでしょう。
ゲージが溜まってバレットタイム発動可になったら、画面上で明確に分かるようにしても良かったと思いました。
ここに書き込んだレヴュアー最初の2人も、TPSとして低評価しています。


まるでこのゲームを理解していません。
開発元とユーザーの互いが不幸です。


ゴア描写は国内で発売されたゲームでも最上位に近い位にかなりキツめでした。
頭部を撃ち抜いたりは頻繁で、一部では内臓むき出しバラバラ焼死体も出て来ます(プレイに夢中で殆ど見ませんでしたが)。
裸及びセックス描写は規制されたらしいですが、その辺は日本版ではどこだか分かりませんでした。
理想は日本でも完全版の販売ですが、開発元の意図に近いものをローカライズして出したのは評価すべき事です。


超暴力的内容ではあるものの、ドンパチゲーム好きな人にはお勧めです。