days of cinema, music and food

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"Heat" on Blu-ray Disc


念願叶ってようやっとBlu-ray Discで出た『ヒート』を鑑賞しました。
映画を観るのは4年振りになります。
ここのところの『メイド・イン・L.A.』も『コラテラル』も、これへの自己盛り上がり用鑑賞でしたので、本命登場は嬉しいですなぁ。
マイケル・マン「漢」祭りのヤマ場となります。


はいはい、モチロン、LD時代からせっせと買っているソフトでもあります。
DVD-VIDEOはリマスター版を持っています。
というのは初期のソフトは品質けしからん日本ヘラルドから出ていたのですよね。
特典もLDと同じく予告編だけでしたし、とても買う気になれませんでした。
その後DTSエディションも出ていますが、やはり特典は殆ど無し。
で4年前に出たリマスター版は特典てんこ盛りで入っていて、これは嬉しかったです。
今回発売されたBDはディスク2枚組になっていて、1枚目が本編+特典、2枚目が特典のみとなっています。


3時間近い大作ですからこうなったのも仕方ありませんね。
ピクチャーディスクはアル・パチーノロバート・デ・ニーロの両巨人をあしらっています。




























画質はまぁ、こんなものでしょう。
かなり綺麗なショットもあれば、ちょいとぼやけているショットもある。
1995年のフィルム撮り映画ですから、ここまでの画質でしたら文句はありません。
思っていたよりもかなり綺麗でしたよ。
マイケル・マンらしく夜景が多い映画なので、高感度フィルム使用だと画面がザラつくのが常ですからね。
ひょっとしてフィルムグレインを落としたりしているのかな??
そしてこのソフトはHDサウンドですよ、やっぱり。
HDサウンドになって何が感慨深いかと言うと、「劇場で観たときの音の再現だ!」というものでした。
この映画はドルビーデジタル上映で2度、映画館で観ています。
最初の装甲輸送車襲撃場面や銃撃音、空港でのの飛行機の音等、高域が耳をつんざくばかりなのですよ。
音質の良し悪しよりも、臨場感が凄いのですね。
無論、音質は最近の映画にはかないませんが、マンならではのコダワリ臨場感がばっちりです。


先日の『メイド・イン・L.A.』と比較すると、身勝手な男達が自滅する物語という側面が強調されているように思いました。
死ぬとは限りませんが男達は滅び、女たちは涙にくれる。
そんなマンのマッチョ視点はナルシスティックだけど映画は面白い。


実行直前にダニー・トレホ演ずる運転手が降りて、代わりの運転手が目の前のキッチンに居た等、明らかに都合が良過ぎる展開が散見されますが、それでも許せてしまうのは私がこの映画を好きだからです。
本質的には悪い意味で子供っぽい男どもの映画は、良い歳した大人でも中身はコドモの心を掴んで放しません。
秩序だった日常生活を送っている人にとって、そんな規範を軽々超えるアウトローの物語は特にそうなのです。
それがカッコ付けて決まっているのだから、この映画に男性ファンが多いのは当然でしょう?
画面も建物も服もお洒落過ぎです!


だから市警警部補ってそんなに給料高くないだろうに、全身アルマーニにじゃらじゃらブレスレット、登場場面によって髪型違うアル・パチーノの役に対して、現実感を求めるのはいささか筋違いでしょう。
「あぁ、マンってTVシリーズの『マイアミ・バイス』の頃と変わってないんだな」と苦笑してしまいます。
そんな点でもマンの集大成映画なのです。


私見では『ヒート』はマンの代表作、でも最高傑作は『インサイダー』なのですね。
これも是非BDで出してもらいたいものです。
無論、マン先生の音声解説収録、特典映像てんこ盛りで。
映画版『マイアミ・バイス』も、特典付けて音声解説付けた長尺版を日本でも出してもらいたいものですよ。


因みに、バンコクでマイアミ・バイス』を一緒に観た妻は、「もうマイケル・マンはいいや」ですって。
えぇ、分かります。
分かりますとも。
男に都合良過ぎな内容ばっかりですからね。
でも子供っぽい私は、いつまでも「マン先生、付いていきますよ!」の境地なのです。