days of cinema, music and food

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Escape from New York - Original Film Soundtrack


ジョン・カーペンター・サントラ祭りと化している今秋。
先日ご紹介したザ・フォッグ』の次に監督した『ニューヨーク1997』のサントラを聴きました。


映画はテレビ放映されたものを2度程観ています。
公開当時の新聞広告は、鉄条網が巻きつかれている自由の女神をあしらったイラストが強烈で、切り抜いてスクラップしたくらいにお気に入り。
どんな大作なのだろう、とわくわくしたものでした。
後年、中子真治の名著『SFX映画の世界』でミニチュアが紹介されると、どうやら低予算映画らしく少々期待値を下げ、テレビ放送されると観てみたら、まぁまぁ…と思った映画でもあります(^^;
ジョン・カーペンターの映画って、どれもアイディアが面白いのですが、終盤腰砕けになる映画が多く、この映画もその例に漏れませんでした。
演出家として力不足なのだと思います。
闇に対する嗅覚やワイドスクリーンを生かした構図等、個性もあって憎めないのですが、ここら辺、ロバート・ロドリゲスに通じるものがあるように思えます。
カーペンターとロドリゲスの共通点としては、自作自演の音楽も挙げられますね。
本作は盟友アラン・ハワースとの共作。
地味なアナログシンセの音色ながらも、クールなメロディに心惹かれるメインテーマが特に耳に残ります。
一部では有名ですし、また私も大好きなこのメロディですが、意外にもサントラでも劇中でも、殆ど流れません。
メインタイトルと終盤くらいで、CDを聴くと残りはアンダースコアが続きます。
アンダースコアは地味ながらもサスペンスやアクションを盛り上げようとしていて、これが結構聴かせます。
聴いていて連想したのは、マイケル・マンの『ヒート』に提供されていた、エリオット・ゴールデンサールの「Force Maker」という曲。
銀行強盗場面を盛り上げていた、打ち込みのパーカッションだけで作られていたあの曲です。
マン作品のサントラは、殆どどれも首尾一貫していますが、テイストはカーペンター・スコアに通じるものがあるようです。
エレクトロなリズムと無機的なシンセサイザーサウンド、そしてどこか1980年代調。
これは個人的に今回の発見でした。


本サントラは台詞も収録されており、映画の雰囲気を再現するのに成功しています。
音楽だけが良い、台詞は邪魔だという向きもありましょうが、私は今は亡きリー・ヴァン・クリーフらの台詞を聴けて嬉しかったです。


Escape from New York

Escape from New York