days of cinema, music and food

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Serbuan maut (a.k.a.: The Raid: Redemption)


インドネシアのアクション映画『ザ・レイド』を、退社後に渋谷にて鑑賞しました。
会社帰りに渋谷で映画なんて、何年振りだか。
18時45分からの回は、私を入れて10人くらいの入りです。
ネットではかなり話題になっているのに、不入りを伝えられていましたが、やはりそうですか…。
馴染みの無いインドネシア映画だし、監督は無名のウェールズ人、キャストも無名のインドネシアの格闘家ばかりだしね。
でもこれは観逃すには惜しい大アクション映画なのです。


インドネシアジャカルタのとある朝、SWAT隊員20名が高層20階建てのビルに突入します。
目当ては麻薬組織のボス、タマ・リヤディ逮捕です。
しかしビルはギャングの巣窟で、次から次へと武装したギャングどもが襲撃してきます。
新人警官ラマらは、無事に最上階に行けるのか…。



上映時間102分の殆どがアクション、等と言われている程には全編アクションではないけれど、こちら側のアドレナリンが噴出する「アクション満載」映画で、とても面白かったです。
延々続く格闘アクションがダレる事なく、逆にテンションが上がって行くのだから凄い。
殴る、蹴る、突き飛ばすだけでなく、銃器で撃つ、ナイフや刀で刺す、と素早い複合技。
切ると出血多量の血生臭い描写満載なのに、観ていて嫌味がありません。
これは登場人物が序盤退場のザコキャラを除いて、皆強いという現実離れした趣向のお蔭かも知れません。
だってビルの中にいるギャングども、SWAT隊員も、皆笑っちゃう程、身体が良く動く!
殺す!
しかも動きが早い!
インドネシア総合格闘技というシラットが全編フィーチャーされていて、これを観るだけでも面白い。
人間の素晴らしい身体能力をスクリーンで鑑賞するのは、やはり楽しいですね。
こういう映画を観ると、アクション映画って何て面白いのだろうと思います。


序盤は派手な銃撃アクションを用意していますが、マズルフラッシュを使ったトリックを用いたりして、質より量でなく、ちゃんと小技も効かせています。
また下から上に登って行くだけではなく、時々下に落ちたり降りたり、また登ったりで、高低を生かした趣向が楽しい。
スタッフはアクション映画が本当に好きなのでしょう。
脚本も突っ込み所はありつつも、意外に工夫されていて、またアクションに奉仕していました。
映画には格闘の恐怖、銃器の恐怖、刃物の恐怖も描かれていて、これは主役のラマ役イコ・ウワイスと、ボスの手下の物凄く強い殺し屋マッド・ドッグ役ヤヤン・ルヒアンという、実際に動ける格闘家を起用したのが大きい。
高所恐怖症人間としては、高所の怖さが分かるショットが1つでもあれば…と思いましたが、それも些細な瑕疵です。
監督と脚本を手がけたギャレス・エヴァンスは要注目の新人ですね。


ザ・レイド』を観ながら思い出したのはタイ映画の『マッハ!!!!!!!!』。
正直に言ってあの衝撃には及ばなかったですが、こういう映画を観てしまうと、観る側もアクションのさらなる高水準を求めてしまうものですよ。


ヴィデオでも良いから、機会があったら是非ご覧あれ。
お勧めです。


映画館ロビーには、来日したギャレス・エヴァンス監督のサイン入りポスターが飾ってありました。