days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Dream House


ドリームハウス』をミッドナイトショウ鑑賞しました。
公開初日の勤労感謝の日、金曜夜の23時50分からの回の客は、私を入れて13人の入りです。
配給側は話題の『007/スカイフォール』公開に合わせて、ダニエル・クレイグで一儲けしたかったのでしょうが、これではちょっと当てが外れたかも知れませんね。
因みにクレイグとレイチェル・ワイズが結婚するきっかけとなった映画でもあります。


私の後列には、ちょっとした事でも「え!?」「ふふーん」等と声にならない声を頻繁に発する50代女性がいました。
私は余り気にならないのですが、この方、時々この時間帯に出くわします(^^;
今日もご夫婦でいらして映画を楽しまれたようで何よりですが、人によっては「うるさい!」と思いそう。


敏腕編集者ウィル(ダニエル・クレイグ)は家族との時間を取り戻す為に退職し、郊外の一軒家に妻リビー(レイチェル・ワイズ)と幼い娘2人と共に越して来ました。
夢のマイホームと思われた家ですが、実は過去に一家全員虐殺事件が起こり、犯人の父親は精神病院から出ているという事です。
やがて不審な出来事が家で次々と起こります。
向かい家に住むアン(ナオミ・ワッツ)は、何かを知っているようですが。
ここは呪われた家なのでしょうか。


まずこの映画ではっきり言えるのは、ダニエル・クレイグ起用の意味があった映画だという事です。
彼は間違いなく史上最強のボンド役者じゃないでしょうか。
ジェームズ・ボンドを演じながら、同時進行で全く違う役が出来るのは、他のボンド役者と違って演技の土台があるからでしょう。
しかもスター性があると来ています。
だから史上最強のボンド役者です。
ティモシー・ダルトンも良い役者で、ボンドと同時に良い演技を見せつつ、でもスター性には乏しかったなぁ、等と想起してしまいました。
本作の監督はアイルランドジム・シェリダンで、彼の作品を劇場で観るのは『父の祈りを』以来18年振りとは!
もうそんな前なのですねぇ。
手堅いし、心理描写も丁寧なのですが、幽霊物語として語りたいならもう少し幻夢的な雰囲気も欲しいです。
デヴィッド・ルーカの脚本は転調激しい内容で、明らかに作り過ぎなのですが、サーヴィス精神は認めたい。
製作者の1人が『隣人は静かに笑う』等の脚本家アーレン・クルーガーで納得しましたよ。
如何にもこの人好み。
でも驚かすの優先過ぎる感もクルーガー作品同様なんですよね。
本作の脚本は読む分には面白いのでしょう。
個人的に気になったのは、映画の作り手が○○を本当に信じているのかどうかという点。
信じているように見えないし、だとしたら終盤は都合良過ぎる気がします。
そんなところもあって、どこか騙された感が残りました。
まさかの終盤ではなく中盤での転調、そこからちょっと緊張感が落ちますが、終盤のこれでもかのサーヴィス精神は楽しい。
ナオミ・ワッツレイチェル・ワイズと、好きな女優達は相変わらず美しく、演技も上手かったです。
好きなスターが3人も出ていたし、上映時間も90分とコンパクトだしで、まぁ楽しめました。
配役ではマートン・ソーカスがNGですね。
相悪過ぎです(本人のせいじゃないけど)。


ジョン・デブニーの音楽は、最近のハリウッド映画に珍しい正統派映画音楽だったので気に入りました。
最近の映画音楽は面白くも無い打ち込み系か、画面の編集との同期に気を使っていない音楽が多いですからね。
プロダクション・デザインが、デヴィッド・クローネンバーグ組のキャロル・スパイアーなので、撮影地はカナダでした。
キャレブ・デシャネルの撮影は中々良かったですよ。


ナオミ・ワッツを強烈に印象付けた『マルホランド・ドライブ』が、振り幅激しいナオミの演技を楽しめる映画だとすると、『ドリームハウス』は同様のダニエル・クレイグのアイドル映画だ!…なんちゃって。
尚、姉妹役の実際の姉妹は、何と『インセプション』の娘役でした。
IMDbによると、それぞれ3歳と5歳を演じていたみたいですよ。