days of cinema, music and food

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つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語


土曜夜に『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』ミッドナイトショウ鑑賞しました。
23時45分からの鑑賞は私も含めて7人の入り。
フリーパスがあって、且つ時間が丁度あったから観た映画です。
なので1本目を観てからの立て続けの鑑賞でした。


妻の艶が危篤状態となっている松尾(阿部寛)。だが艶は奔放な女で、松尾との結婚後も数々の男性達と関係を持っていた。内なる激しさに動かされるように、松尾は彼女と関係を持った男たちに連絡を取ろうとする。最初に連絡を取ったのは、12歳の艶の処女を犯して奪った人気作家・行彦(羽場裕一)。その妻・環希(小泉今日子)は、夫の過去を知る事になる。


表層的で薄味で気取っているだけでがっかりしました。
これならば時間をもっと調整して、観たかった『鈴木先生』にすれば良かったです。
これがフリーパス最後の映画になるとは…とほほ。
まぁですが、詰まらん映画もたまには観ないと、ね…。
大体にして性がテーマの映画なのに、女優達はバストトップも見せず、行為の後は男は皆パンツ姿って何ソレ。
バスローブ越しの男の下着ラインをモロ目の当たりにするとは思いもしなかったですよ。
大人向けの内容の映画ならば、スタッフもキャストも、それなりの覚悟を持って映画化してもらいたいものです。


映画はオムニバス形式になっていて、周辺人物によって画面には素顔が登場しない艶の実像を浮かび上がらせようとしている…のでしょうか。
それにしては突っ込みが甘く、見ていて間延びする場面が多い映画でした。
愛の不毛をテーマとした映画を観るならば、こんなのよりもミケランジェロアントニーニの傑作『情事』(1960)を観ましょうよ。


阿部寛はドラマ等では好きだったけど、映画ではダメなのかしらん。
骸骨顔がデヴィッド・クローネンバーグ映画の主演男優として行けそう…と思いながら眺める事になり、感銘を受ける事はついぞありませんでした。
つまり演技がTVのときと同じなのです。
大画面では演技の上手さ下手さが目立つんのですよね。
彼にはシリアスな映画での演技力を求めてはいかんという事でしょうか。
常に目ん玉ギョロギョロさせている阿部だけでなく、ギャグかと思って失笑する場面も度々でした。
岸谷五朗の前髪上げる仕草とか、PCド素人があっという間にローマ字入力が上手とか、どうでも良いつまらん事ばかりがギャグとして目が行くだけ。
水っぽいスープをさらに伸ばして138分、スプーンでちまちま飲まされた気分です。
役者の顔ぶれはそれなりに揃っているだけに、期待外れも激しかった。
こんなのテレビで十分です。


昨年の私的ベスト作品の1つ『ふがいない僕は空を見上げた』主演コンビが出演していたなぁ(それだけ)。