days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Jack the Giant Slayer


ブライアン・シンガーの新作『ジャックと天空の巨人』を日本語吹き替え3D版でレイトショウ鑑賞しました。
21時50分からの回は私ともう1人だけの2人だけの入り、とは少々寂しい。
週末の日中とかは入っているのかしらん。
有名な民話『ジャックと豆の木』の本格的映画化です。


貧しい農民の青年ジャック(ニコラス・ホルト)は、ひょんな事から不思議な豆を手に入れます。
しかし雨漏り酷い小屋ゆえ、豆が水に濡れた途端に、突如超巨大なツルが瞬時に天空まで生えてしまいます。
その為、王宮を抜け出して来た冒険心溢れるイザベル姫(エレノア・トムリンソン)もろとも、ジャックの家はツルと共に空高くまで上がってしまいました。
途中で脱落して九死に一生を得たジャックは、国王(イアン・マクシェーン)の命を受け、騎士エルモント(ユアン・マクレガー)、大臣ロデリック(スタンリー・トゥッチ)らと共に、姫救出の為にツルを登ります。
天空には数多くの巨人が居て、食糧たる人間が大好物とも知らずに。


ユージュアル・サスペクツ』で一躍凄味のあるスリラー監督として名を馳せたブライアン・シンガーですが、早いものであれから20年近いのですか。
その後の彼の娯楽大作路線である『X-メン』シリーズや『スーパーマン リターンズ』ら、大作アメコミ映画がどれもピンと来なかったので、本作も全く期待していませんでした。
シンガーは小規模のスリラー映画が合っていると思っていたので。
ワルキューレ』も映画の出来はそんなに良いとは思いませんでしたが、スリリングな描写は切れを感じたものでした。
そのように期待値がかなり低かったからか、かなり楽しめました。
しかしシンガー、家族映画でも容赦しませんよ。
過去の大人向けスリラーでスリリングな演出に冴えを見せた監督が、その冴えを家族映画で発揮するとかなり迫力満点になるのが面白かったです。
直接描写はないけれど、巨人が人間の首を食いちぎったり、バラバラに裂けた巨人の目玉がこっちに向かって来たり。
びっくりですよ。


巨人たちもユーモラスに描かれてはいるけれど、グロテスクでもあります。
巨人の将軍なんて肩からもう一つ小さい頭が生えていて、そいつは「あー」とか「うー」とかしか言わないの。
アブないギャグですね。
他の巨人もブ男度が極めて高く、殆どフリークスの世界。
そんな連中がわらわらと大挙して襲いかかって来るのですよ。
小さな子供だったらトラウマ必至の映画です。


巨人どもとの後半の攻防戦もスリリングでしたし、真っ向勝負のスペクタクル度が高い出来栄え。
今までのシンガー大作作品の中では、最上位の出来でしょう。
子供向け映画だと思っていたので驚きましたよ。
娘はプリキュアの前に付いていた予告で観たがっていたけど、こりゃ見せられません(^^;
途中で泣いて逃げてしまいそうですもの。


シンガー作品常連のジョン・オットマンの音楽も結構派手になっていました。
彼の作品で1番スケールが大きいスコアかと。
タイトル・デザインはカイル・クーパー
冒頭の昔話場面がフルCGで作られており、本編は実写映画なので不思議な感じでした。
この狙いは面白い。
ラストもちょい面白かったです。
意外に掘り出しものの映画でした。
これだったらシンガーが監督予定のX-メン最新作も期待出来そうですね。


ウェンツ瑛士らを起用したタレント吹き替え版でしたが、私は余り気になりませんでした。
そこそこ合っていたかと思います。