days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Iron Man Three


娘を実家に預けて久々に妻と映画デートでした。
2か月ぶりですね。
お目当ては『アイアンマン3IMAX 3D版。
彼女の希望です。
本当は近所のM田さんと行く予定でしたが、ごめんなさい、M田さん!
また別途行きましょう。
公開3日目の日曜15時40分からの回、南町田グランベリーモールでのシアターは5割の入りでした。
北米では5月3日からの公開ですから、日本が一足お先に公開となります。


1年前に異星からの侵略をアベンジャーズの一員として防いだアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、スターク・インダストリーCEOであり恋人でもあるペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロウ)と一緒に暮らし、幸せにも見えました。
しかし実はパニック症候群という精神的ダメージを密かに負抱えていたのです。
そんな時、アメリカ政府はヒーローをトニー個人に任せるのではなく、軍が管理するパワードスーツによるアイアン・パトリオット計画を進めようとしていました。
ある日ペッパーの前にシンクタンクA.I.M.の代表キリアン(ガイ・ピアース)が現れ、スターク社との提携を申し出ます。
ペッパーの前で最新バイオ技術のプレゼンをしたキリアンこそ、アイアン・パトリオット計画の提言者でもあったのです。
折しもアメリカはマンダリン(ベン・キングズレー)と名乗る謎の指導者によるテロ攻撃を受けていました。
スタークの親友であるハッピー・ホーガン(ジョン・ファヴロー)はテロに巻き込まれ意識不明の重体となり、スターク邸もマンダリンの攻撃を受けてしまいます。


監督が前2作のジョン・ファヴローから、『リーサル・ウェポン』の生みの親でもある脚本家兼監督のシェーン・ブラックに交代。
映画全体は随分とシリアスになりましたが、とにかく話が面白い。
出来としてはシリーズ最高作でしょう。
予告編は良い意味でミスリードになっていて、思っていたのと全く違う内容になっていました。
演出も随分と硬派なタッチになりましたが、ユーモアも忘れていません。
シェーン・ブラック、間違いなく大金星!
私には(妻もでしたが)『アベンジャーズ』より面白かったです。


しかし『ダークナイト』の影響とは大きいとも実感しました。
スカイフォール』も、本作も、かなり『ダークナイト』調のヒーロー映画なのです。
つまり本来は荒唐無稽なヒーロー映画の筈なのに、ダークでシリアスでリアリスティックなスリラーとしての物語を用意し、アクションはあるもののそちらは主体ではなく、あくまでもスリラーとして観客の興味を引っ張るという作りなのですね。
ですからヒーローものとしての解放感にはやや欠けるうらみはあるものの、大人の鑑賞にも耐えうる内容になっていると思いました。
こういった作り手の意思は好悪分かれるでしょうね。
また前作ですっかり忘れ去られていたDo it yourself精神が復活しているのも嬉しい。
全編、トニー・スタークは物作りに取りつかれています。
アイアンマン マーク42って、どれだけ作っているんだ、と。
作り過ぎて1体1体のアイアンマンの個性がイマイチ発揮出来ていない恨みはありますが、終盤の総登場場面には興奮させられました。
本作の場合、物語に幾つもの驚きを用意した内容には触れないでおくとして、溜めて溜めて溜めての語り口から、終盤のキメるところはキメて、アメコミ活劇としてのカタルシスも用意されていて、これは満足に近い出来でした。


配役も良かったです。
ダウニー社長はいつになくシリアスだが相変わらずの型通りの善人でないのが良いし、ペッパーも大活躍。
前作で違和感あったドン・チードルもパワードスーツが似合う顔に思えるようになりましたよ。
ご贔屓レベッカ・ホールも出ています。
ベン・キングズレーはやはり上手い。
しかしやはりガイ・ピアースです。
元々薄気味悪い系の顔立ちだったが、本作はその顔を1番活かした映画なのではないでしょうか。
映画序盤のキモち悪いオタク系なルックスなぞかなり強烈。
昨年観た『ロックアウト』のヒーロー振りは一体どこへ行ったのでしょう(^^;
それに大統領がウィリアム・サドラーで副大統領がミゲル・フェラーですよ!
相悪い正副大統領の国ですなァ。


エンド・クレジットは名手カイル・クーパーのデザインによるもので、ブライアン・タイラーの派手派手スコアと共にカッコ良い。
そしてマーヴェル映画恒例のエンドクレジット後の場面もお楽しみに。
これも大笑いでした。


シリーズ初のHD撮影作、撮影監督は名手ジョン・トール
VFXサウンドもゴージャス。
大画面での鑑賞推奨のお勧め娯楽映画です!