days of cinema, music and food

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Killing Them Softly


ジャッキー・コーガン』をレイトショウ鑑賞しました。
ゴールデンウィークの谷間、平日火曜の21時25分からの回は、私を入れて21人の入り。
平日レイトにしては入っているように思えたましたが、これはブラピ効果なのか、それともゴールデンウィーク効果なのでしょうか。


2008年、サブプライムローン問題とその処理でアメリカ国内が紛糾していた頃。
雇われ支配人マーキー(レイ・リオッタ)が経営するギャングの賭場が襲撃されました。
襲ったのは若者フランキー(スクート・マクネイリー)とラッセル(ベン・メンデルソーン)というチンピラ2人です。
彼らはジョニーという男の依頼を受けたのです。
組織は殺し屋のジャッキー・コーガンブラッド・ピット)という男を差し向けますが。


90分強の映画で、これ以上長かったら退屈だったでしょう。
現代アメリカの経済、ひいては国家とギャングの世界を並列に描いて批評しているのは分かりますが、映画が面白いかどうかはまた別の話です。
テーマとかメッセージは伝わるものもありますが、全編そればかりだと観ていてちと窮屈なのも事実。
退屈はしないけど面白味は少ないのでした。
いや、ところどころ面白い場面もあるのですけれどもね。
長々した台詞が多いのはタランティーノの影響でしょう。
役立たずの往年の凄腕殺し屋(ジェームズ・ガンドルフィーニ)とか、殺す相手は泣き叫んだり命乞いしたりで観ていられないので、優しく殺すのを信条としているジャッキー・コーガンとか、人物は面白い人が多いけれども、この手法もさすがに新鮮味がありません。
ブラピもスターらしい魅力がありました。
ベン・メンデルソーンのテラテラした常に汗かきメイクは、気色悪さ増大(^^;
かなりイッちゃってる役でしたしね。
麻薬でラリパッパな場面、映像的にも音響的にも可笑しかったです。
サム・シェパードがどう見ても堅気でない男なのは珍しかったなぁ。


映画最大の見せ場は後半に用意されている幾つかの場面です。
VFXを用いた超スローモーションの人体破壊描写が一見の価値があります。
排出される薬きょう、銃口から飛び出す弾丸、撃たれて砕け散るガラス、吹き出す血しぶきと脳漿。
これらが超スローモーションで描かれて、残酷美として強烈な印象を残ります。
でもガラスがあれだけ撃たれているのなら、もっと人体への弾着がある筈では?とか思ってしまいましたが。
とまれ独特な映像美として記憶されるのではないでしょうか。