days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Oblivion


オブリビオン』公開初日の金曜23時30分からのミッドナイトショウwith近所のM田さんです。
401席の劇場は、トム・クルーズ人気もあってか半分の入りとは結構な事でした。


2077年の地球。
異星人との大戦争により月は半壊、人類は勝利を収めたものの既に地球は住める環境ではなくなり、衛星上にあるコロニーに仮住まいとして居を構え、他の惑星への移住計画が進められていた。
無人偵察機ドローンの修理を行う修理工ジャック(トム・クルーズ)は、機密保持の為に過去の記憶を消され、パートナーのヴィクトリア(アンドレア・ライズブロー)と共に、異星人の生き残りと戦いながらドローンのメンテナンスを行う日々を過ごしている。
コロニーへの帰還まであと幾日というある日、地球外へと向けられた信号をキャッチしたジャックは、指定された地点へと向かう。
すると、突如そこに飛行物体が落下し、中から冷凍睡眠状態の女性(オルガ・キュリレンコ)が見つかった。



監督のジョセフ・コシンスキーはCF出身の人です。
前作である処女作『トロン:レガシー』でも映像センスが光っていました。
その前作は楽しめたものの、前半の面白さとアクションの迫力に釘付けになっていたのに対し、後半はやや失速したのが残念でした。
物語を語るのが下手に思えたのですね。
よって本作も映像だけの映画かもという不安はあったのですが、これが全く違っていました。
これでもかとSF要素を詰め込んだ内容となっていて、とても面白かったです。
地球文明壊滅ものでありながら、映像派明るく広大。
一方で細部まで作り込んであり、空疎な世界観では全くなく、大作映画に相応しい充実ぶり。
デザインや要素は、元ネタとなった映画やら小説やらが次から次へと脳裏をかすめましたが、それもまた楽しい。
各種デザインも洗練されていてカッコ良かったですね。
で、某SF名作映画のデザインからの影響も強いのですが、それがちゃんと伏線になっていました。
あぁSF好きで良かった。
また、大スケールの映像やデザインだけではなく、登場人物も立体的であろうとしていて、とても好感が持てました。



コシンスキーの監督振りは、やはり前半の方が好きでした。
後半はやや内容詰め込み過ぎで駆け足に感じられたのです。
それでも幾つか見られる話の捻りなどは堂に入ったものですし、ドラマ部分では中盤で見せるトム・クルーズの表情、そして船内で記念撮影するところが特に印象に残っています。
特に後者は、あそこはちょっと切ない。
でもああいった何気ない細部の描写に光るものがあったと思うのですね。
リメイク版『ブラックホール』は期待してい良いのではないでしょうか。



好演のクルーズは、やはりニューヨーク・ヤンキースの帽子を被っていました。
あれは主演作『宇宙戦争』ネタでしょうか。
クルーズ本人もヤンキースの大ファンですものね。
そのクルーズも良かったのですが、ヴィクトリア役のアンドレア・ライズブローの名前は覚えておきましょう。
またM83の音楽も良かったです。
トロン:レガシー』のダフト・パンクもだでしたが、コシンスキーはあの系統の音楽が好きなのですね。
どちらも画に合っていましたよ、うん。