days of cinema, music and food

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The Great Gatsby


バズ・ラーマンの新作3D映画『華麗なるギャツビー』を土曜深夜のミッドナイトショウ鑑賞してきました。
公開2日目の土曜21時15分からの回、401席の劇場は40人程の入りです。


1920年代のニューヨーク郊外のロングアイランド
豪奢な邸宅で夜な夜なパーティを開くジェイ・ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)は謎に包まれている若き大富豪だ。
招待客の間では、その正体に対して良からぬ噂話が飛び交っていた。
隣に越して来たニック・キャラウェイトビー・マグワイア)は、徐々に彼の正体を知って行く。


バズ・ラーマンらしく絢爛豪華でけばけばしく、特に前半は狂騒的ノリの大作です。
ラーマンのミュージカル『ムーラン・ルージュ』を傑作だと思っている私にとっては、原作もジャック・クレイトン監督&ロバート・レッドフォード主演版も未見ゆえ、とても楽しめた映画でした。
しかしこれ、構成とか内容も含めて『ムーラン〜』と同工異曲でしたね。
前半の狂騒と後半の落ち着いたドラマとか、映画のペースやトーンも似ていたのです。
でも終幕はもっと辛辣というか、心に突き刺さるものが欲しかった。
やや表層的という感は否めません。
いや、好きな映画なのですが。


相変わらず眉間に皺寄せ演技でしたが、レオが久々に良かったと思うのは、役に合っていたからでしょう。
夢追い駄々っ子を演じるとピカ一のハリウッド・スターではないでしょうか。
あ、『ジャンゴ 繋がれざる者』もそうですか。
あちらは既に印象が薄い役だったのは、他の役者が強烈だったからでしょうか。
デイジー役は贔屓のキャリー・マリガンで、彼女も綺麗に撮られていましたが、映画はギャツビーとデイジーの恋愛話ではなく、ギャツビーとニックの関係が主体になっていました。
これはこれで立派なラヴストーリーになっていましたよ。


ラーマン夫人キャスリン・マーティンの美術と衣装はやはり素晴らしく、これは目の贅沢として楽しませてもらいました。
プラダティファニーといったブランドが貸し出したジュエリー類も煌びやか。
女性たちのドレスも良かったですが、どんなに蒸し暑くともスリーピースで押し通す男性達の衣装も素晴らしい。
ニック宅でのお茶会での場面でレオが着るスリーピース等、配色が抜群でしたからね。
衣装だけではなく、全編に渡ってVFXを駆使しまくった絢爛豪華な映像も見ものです。
極端なキャメラワークや映像処理も面白い。
3D効果は結構あり、もしご覧になるのならば2D版よりも推奨したいです。
ドラマものと3D映画の相性は、『タイタニック』でも証明済みですしね。
もっとも3D効果を感じるのは前半で、後半は3Dを忘れてしまいましたが。


ジョエル・エドガートンジェイソン・クラークという『ゼロ・ダーク・サーティ』オーストラリア俳優コンビがこちらにも出ています。
この映画自体、オーストラリア映画ですしね。


F・スコット・フィッツジェラルドの原作は妻が持っていて、そういえば書棚でも見掛けた事があります。
今度読んでみましょうか。
長年読もうと思って未読の本が多いのですよね…。


ラーマンは『ムーラン・ルージュ』3D化を考えているというニュースもあり、それは是非実現してもらいたいものです。
絢爛豪華でけばけばしく、偽悪的なまでの毒々しい狂騒振りの序盤は、映画館で観たときに「最後まで付いて行けるかナ…」と心配になりましたが、ユアン・マクレガーが歌う『僕の歌は君の歌』から一気に引き込まれましたよ。
立体感を強調した画が多い映画でもあったので、3Dとの相性も良さそう。
これは観てみたいものです。