days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

幼稚園の運動会→『トランス』レイトショウ鑑賞


前の晩に妻が力作の「はなかっぱ」弁当を作って置いてくれたので(私は揚げ物・焼き物担当)、多少寝坊出来た運動会当日の朝。
私の父も観たいというので、親子祖父とで応援に行きました。
娘ものびのびと競技やら演技やらが出来たので、楽しかったようです。
私は腰痛気味でしたが、親子出場の騎馬戦にいざ出陣。
娘は腰痛の私をおもんぱかって「じいじがいい〜」などと言ってくれましたが、明らかに十センチも身長差のある父を出場させる訳にはいきません。
老人虐待を避けられたのと、幸いにも当日朝の私の腰も調子が良かったので、騎馬戦も大丈夫でした。
娘と私の身長があったので、敵は逃げてばかりだったのが物足りなかったですが…。
何組か追いかけたのですが、皆に逃げられてしまいました。
さぞかし威圧感があったのだろう、と思うようにしています (^^;


さて夜は映画ですよ。
トランス』、公開初日の土曜21時20分からの回は30人程の入りでした。


ロンドンのオークション会場。
ゴヤの傑作『魔女たちの飛翔』が落札された瞬間、会場をギャングどもが襲った。
競売人サイモン(ジェームズ・マカヴォイ)は実は彼らの仲間だったが、リーダーのマックス(ヴァンサン・カッセル)にスタンガンを突きつけ、返り討ちに殴られてしまう。
サイモンは記憶喪失になってしまい、絵の隠し場所も分からなくなってしまった。
マックスらは催眠療養子エリザベス(ロザリオ・ドーソン)の協力を得て、サイモンの記憶を呼び起こそうとするが。


ダニー・ボイルらしい捻った展開と多面的なキャラクター、ポップでスピーディーな映像と音楽が一緒になったスリラー。
序盤の疾走から転じて途中からいささか様相が変わって来て、中盤はちょい中だるみっぽく感じたのですが、そこからまさかこんな話になるとは、全くの予想外もいいところ。
脚本はジョー・アヒアナとジョン・ホッジの共作です。
最後もこう着地させるか、と唸らされました。
相当に込み入った話を剛腕で見せてしまうボイルの演出は中々凄い。
アカデミー賞を受賞した『スラムドッグ$ミリオネア』よりも、私はこちらの方が断然好きですね。


主要人物3人は、どれも贔屓の役者が演じていたのも嬉しかったし、とても良かった。
徐々に露わになる多面的な人物像もよく描けていましたが、役者も皆好演していたと思います。
タムナスさん事マカヴォイさんは、色々な面を見せてくれても違和感ありません。
良い役者だなぁ。
かつてはエリック・ストルツの二番煎じ顔と思っていたけど、こんなに才能豊かだとは。
御見それしやした。
ロザリオ・ドーソンはセクシーな肉体美をよく強調されますが、本作では奥行きのある役を印象深い役に昇華させています。
これは彼女の代表作になりますね。
そしてヴァンサン・カッセル
近年はデヴィッド・クローネンバーグ作品での、脇役でも地味に印象に残す程度しか観ていなかったのですが、これは大活躍。
ダークなだけではなく、人間味を与えていました。
これもまた、良い役でした。


内容に関しては殆ど知らずに観に行くのをお勧めします。
いやぁ、面白かったなぁ。
こういうスリラー、大好きですね。