days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Splinter Cell: Black List


人間、自制心が大事という事を、このゲーム『スプリンターセル ブラックリスト』から修行のように学びました。
何故かと言うと、下手するとゲームばかりのダメ人間になりそうなくらいに面白かったからです。


工作員サム・フィッシャーを主人公にした人気ステルス・アクション・シリーズ。
私は前作の『スプリンターセル コンヴィクション』が初めてでした
それまでは和製ステルス『メタルギア・ソリッド』を(そこそこ)楽しんで来たのですが、同作はちょっとした衝撃だったのです。
基本的に敵に見つからないように進むのがこのジャンルですが、『コンヴィクション』はもっと攻撃的でした。
映画の『ジェイソン・ボーン3部作』を強く意識したのは間違いありません。
一瞬にして敵を複数倒せるカッコ良さは、こそこそ進むだけのステルスゲームにアップテンポという新機軸を打ち出しました。
これは好悪分かれるでしょうが、少なくともこのジャンルの中では画期的だったと言えましょう。
加えて『MGS』の説教臭い新劇のように長々とした、10分から酷いときには30分もの動画が、延々かつ頻繁に入るのにうんざりしていた私には、ちゃんとゲームを遊ばせる、テンポ重視と割り切った作りは爽快だったのです。
もっとも、物語部分が比較的あっさりしていたり、和ゲーによくあるステージごとのボスキャラ不在は少々物足りなくも思えましたが、得たものはとても大きかったのでした。


で、『コンヴィクション』のヒットを受けて作られた本作。
前作にあった攻撃性を継承しつつ、ステルス路線が強化されました。
敵に見つかるとあっという間に援軍が駆け付け、下手すると瞬殺されてしまいます。
倒した敵兵も隠さないと他の敵兵に異常を察知されてしまうのです。
よって敵陣を進むにはより慎重さが求められます。
加えて侵入ルートが一本道ではなく、複数用意されていたり、あるいは真昼の市街地だったりと、プレイヤーの思考と緊張感を促す作りになっています。
いやぁ、これは面白い。
『コンヴィクション』と『MGS』の良いとこどりですもの。
正直に言って、もう『MGS』は要らないと思いました。


ゲームはミッション形式で、各マップは30分から1時間あれば大体クリア出来るもの。
全体の物語は用意されているものの、物語だけでなく選択式のサイドストーリー・ミッションもあるので、好きなものから進められる事が出来ます。
こういったカジュアルさもあって、ついつい遊んでしまうのです。
なので毎晩、余り遅くまで夜更かししないよう自重が求められる、という訳ですね。


私が遊んでいるのはXbox 360版。
ディスク2枚組で、2枚目にはHDテクスチャーをインストールするデータが入っています。
これを入れるとPC版ではなくとも、これで十分と思えるグラフィックになっていました。
リビングのソファで楽な姿勢で遊べるのはPCと違って有難いですからね。
但しこの2枚組の欠点として、サイドミッションによっては1枚目あるいは2枚目に入っているものがあり、場合によってはディスク交換を強要されてしまいます。
フルインストールしたらディスクは認証だけの役割にして、ストレスレスで遊べるようにしてもらいたいものです。
ここら辺はユーザーフレンドリーでないですね。


また終盤では面白いバグに遭遇しました。
トップ写真がそれです。
終盤のとある切迫した事態で発生し、我らがサム・フィッシャーが地下鉄から出てしまったのです。
どんどん遠ざかる地下鉄。
あれれ〜さようなら〜…というのを、幾度か繰り返す羽目になりました。
窓の外に出るタイミングとアクションボタンを押すタイミングによって発動するようです。
繰り返しギャグみたいに幾度も出たので笑ってしまいました。


ゲームはとても面白かった。
起伏に富んだステージ・デザインも含めて、中々スリリングだったのです。
自らハードルを上げてストイックに無殺プレイで遊ぶのも良し。
バンバン装備を改造してガンガン殺しまくってハードルを下げるのも良し。
どちらでもお好きなように。
玄田哲章田中敦子ら、ヴェテラン声優陣の声も安心感があります。
ステルス好き、アクション好きにお勧めのゲームです。