days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Now You See Me


写真はTOHOシネマズ横浜ららぽーとにて23時50分のもの。
台風が2つ来るだのなんだの、という時でした。
これは24時発売の『魔法少女まどか★マギカ』グッズ発売に並んでいる行列なのです。
凄いパワーだなあ。
古くはガンプラ行列、近年だとWindowsMacといった新OS、あるいはアップル製品の行列みたいなものでしょうか。
劇場限定グッズとかかも知れませんね。
ネットで何でも買える時代であっても、やはり並ぶというイベント参加行為は盛り上がるよなぁ、と実感しました。


さて私と近所のM田さんの目当てはミッドナイトショウ鑑賞です。
グランド・イリュージョン』、公開初日の金曜0時15分からの回は30人程の入りでした。

上映直前の26日0時にM田さんのお誕生日の瞬間に立ち会えるという特典付きです(^^


4人のマジシャン、アトラス(ジェシー・アイゼンバーグ)、メリット(ウディ・ハレルソン)、ヘンリー(アイラ・フィッシャー)、ジャック(デイヴ・フランコ)で構成されるフォー・ホースメンは、ラスヴェガスでのステージで、同時にパリの銀行から多額の現金を盗み出してしまう。
会場の観客は大熱狂するが、FBIとインターポールは即座に動いた。
FBI捜査官ローズ(マーク・ラファロ)とインターポール捜査官アルマ(メラニー・ロラン)は合同捜査を開始する。
億万長者トレスラー(マイケル・ケイン)というパトロンが付いているフォー・ホースメンの次の犯行を阻止すべく、2人はマジックのネタバラしを生業とするサディアス(モーガン・フリーマン)に手助けを求める。


マジックと映画の相性は悪い、と私は思っています。
目の前で「編集なし」で驚かしてくれるショウと、編集が命の映画とでは、全く方向性が違うからです(TVのマジックショウの場合は、その場にいる観客が証人になってくれているので、少々事情は異なります)。
だから冒頭でジェシー・アイゼンバーグが見事なカードさばきを見せてくれると、そこに感心させられつつも、「マジック自体はどうせ映画だし…」と冷めてしまったのです。
とはいえ、ちょっとワクワクさせられる導入部には違いありません。
だってマジシャンが主演の、しかも犯罪映画というではないですか。


実際のところ、ルイ・レテリエのテンポ重視の演出もあって、2時間弱の間退屈はさせられませんでした。
特に前半の吸引力は中々だったと思います。
ラスヴェガスのステージがいきなりVFXだらけ(文字通り、ステージを捉えたショットからしVFX使用)であっても、銀行襲撃のくだりでは「え?どうなるの?」と思わさせてくれたからです。
ブライアン・タイラーの音楽も煽る煽る。
しかもこの豪華なキャストですよ。
若手中堅ヴェテランと豪華そのものです。
ソーシャル・ネットワーク』同様にジェシー・アイゼンバーグが早口でまくし立てていても、その相似点ですら余り気になりませんでした。


しかし余りにVFX乱用の為に、正直言って中盤以降はかなり緊張感がそがれてしまいました。
それともっとリアリスティックな犯罪トリック物を期待していたのに、かなり荒唐無稽な内容になっていました。
観ながら「『ルパン三世』かよ…」と心の内でつぶやいてしまった位です。
しかしそれもそう悪い事ではありません。
途中からはそういう映画なのだと切り替えて、最後までそれなりに楽しめました。


それでもこれは残念ながら私が観たい映画ではなかったようです。
強奪ものは好きなジャンルだけに、VFXに頼り切ったり、現実面での荒唐無稽な実行だったりではなく、もっと現実的で緻密に見せて欲しかった。
そういう映画は古いのでしょうか。
VFXを使えば何だって出来るし、そうなると何でもアリになって、逆に内容に驚きが無くなってしまいます。
製作が決定した続編は、もう少し違う趣向でお願いしたいです。


俳優は皆綺麗に撮られていたし、特にロラン嬢はアップも多く、彼女を観るだけでも価値はあり。
まさに眼福とはこの事。
但し映画はテンポ重視過ぎて、キャストによっては個性が余り生かされていないのも気になりました。