days of cinema, music and food

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Ender's Game


この日曜日はSF大作『エンダーのゲーム』を鑑賞しました。
IMAX 2Dでの上映、10時15分からの回は30人程の入りです。


異星人バガーからの侵略に対抗する為、人類は地球の衛星軌道上にバトル・スクールという児童養育施設を作る。
そこは世界各国から集められた優秀な子どもたちを、徹底した訓練によって戦闘マシンにするための施設だ。
訓練長官グラッフ大佐(ハリソン・フォード)の元に寄越された天才児エンダー(エイサ・バターフィールド)は、他の子どもたちとは違う能力を発揮し、徐々に成長していく。


オースン・スコット・カードの名作SF小説の映画化なのですが、読もう読もうと思って未読の本の1つ。
あぁ、こういうのが多いですなぁ。
そう言えば映画化は、数年前にヴォルフガング・ペーターゼン監督作品という企画もありましたな。


さて南アフリカ出身のギャビン・フッド監督(脚本も担当)作品はお初だったのでしたが、結論から言うととても楽しめました。
宇宙戦争という大スケールの話を、主人公である少年エンダーに集約させつつ、無駄も省いて2時間以内に収めていて。
ヒューゴの不思議な発明』のヒューゴ役の面影が、すでにかなり消えつつあるくらいに成長してしまったエイサ・バターフィールドも、主人公として印象に残るものでした。
天才児でありながら、一方で彼は普通の子供でもあるのです。
その彼が内なる闇におののきながらも、それを使いこなしていく様には考えさせられてしまいます。


何時の頃からか「ゲーム感覚」という言葉が濫用されるようになったこの世ですが、この映画は文字通りゲーム感覚で戦争を描いた映画です。
白兵戦の訓練でさえ敵味方に分かれてのゲーム感覚。
子供達が戦略を立て、戦術を立て、実行して行く様を、語弊が無いように言うと、とても面白く描いています。
主人公らの活躍には心の中で声援を送ってしまうし、憎たらしいいじめっ子チームには負けて欲しいと思ってしまいます。
大体にして画面上の大艦隊を口頭で次々チームメイトに指示して動かし、敵の裏を書こうとし、殲滅させんとするのは、文字通りのゲームではないですか。
しかしこの聡明な映画では、その裏にある真相をも描き出します。
私にはいささかショッキングな展開でした。
原作は知らないけれども、これは上手い。


壮大な映像も含めて、良質なSF映画を観たという満足感が残った映画でした。
IMAX鑑賞に相応しい。
スティーヴ・ジャブロンスキーの音楽も盛り上げます。