days of cinema, music and food

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Blackhat


『ブラックハット』公開初日の金曜ミッドナイトショウ鑑賞 with 近所のM田さん。
シネコン内でも大き目の小屋は10人強の入りと少々寂しかったです。
北米では批評も興業も惨敗で、確かにそれは納得する脚本でしたが、随所にマイケル・マンらしさが炸裂!
緊張感満点の場面も多く、面白く観られました。


クリス・ヘムズワース演ずる天才ムキムキハッカーは、明らかにハッカーに見えません。でもそんなのはどうでも良いのです。己の道は己のルールで切り開くタフな犯罪者が主人公で、如何にもマン作品らしいのですから。
そう考えると、クリス・ヘムズワースの配役も案外良く思えてきます。
また、『ラスト、コーション』組のタン・ウェイワン・リーホンもマン作品のハードボイルド世界の人物になっているし(2人とも若々しい!)、ヴィオラ・デイヴィス演ずるFBI捜査官もキまっています。
無常で苛烈、口数少なに目線で言葉を交わす男と男。
男と女。
そんな人物像や世界観で、序盤からのけぞるようなご都合主義も許せました。


マン作品らしい美麗な夜景などのロングショットも見どころの1つ。
近年、愛用しているというHD撮影が効果的でした。
幾度か登場する銃撃戦での効果音も、耳をつんざかんばかりでマン作品らしく、こちらも迫力満点。
射手の肩越し視点映像も健在です。
悪党ハッカー側傭兵部隊が強過ぎとかもどうでも宜しい。


よってこれはマイケル・マン作品が好きか嫌いかで、映画が楽しめるかどうかも左右されそう。
荒唐無稽で粗っぽい脚本でも、ハードボイルドな活劇に仕立てるオレ様マン様が好きな人ならば楽しめるでしょう。
私はもちろん、楽しめましたよ。
変わらず美しいタン・ウェイは眼福ですしね。


如何にもマイケル・マン映画らしい、メロディラインに乏しく、夜景が合うエレクトロニクス音楽は、ハリー・グレッグソン=ウィリアムズアッティカス・ロス、レオ・ロスの3人がクレジットされていました。
サントラ盤は出ていないのかぁ。
残念!