days of cinema, music and food

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"The MArtian" on Blu-ray Disc


リドリー・スコット監督、マット・デイモン主演の傑作SF『オデッセイ』Blu-rayが届きました!
2時間半近い長尺なのに一切の無駄が無く、妨害する無能な人は誰1人いなくて天才ばかりが登場し、彼らが知恵を合わせて状況を打開していく様が痛快な「お仕事」映画。
これが邦画なら「お父さンはあすこで頑張っているンだ」「何としても帰って来て…」「家族の元に帰るンだ…」「お前ら、残された家族の気持ち、分かってンのかぁッ‼」と、泣いたりわめいたり怒鳴ったりの湿っぽい映画になりそう。
でも干からびた火星が舞台だから、ではないですが、そんな余計なドラマは不要とばかりに物語をドライ且つクールに前進させながら、各人のプロフェッショナリズムと内なる熱い思いを、行動を描くことで表現したスコットは凄いと思います。
近年の彼の最高作ですよ。
というか齢80近い監督のこのさらりとした余裕振り。
元々は個性が強くて、どちらかと言うと鈍重な監督なのに、ここではユーモアをたっぷり塗しつつ物語を軽快に描くのに徹した職人振りが意外ですが、それもまた嬉しい驚きではないですか。
今のスコットならば、後半に失速した『グラディエーター』をもっと上手く監督出来ただろう…などと夢想してしまいます。


スコットの期待に応えたキャストも皆、素晴らしい。
またもやサバイブしながら救出される役のマット・デイモンは、喜怒哀楽を一手に引き受ける一人芝居で見せます。
宇宙船船長役ジェシカ・チャステインは理想の船長そのものでカッコ良い。
地上で救出作戦の陣頭指揮を執るチュウィテル・イジョホーの奮闘振り。
そしてショーン・ビーンの男気!
劇中に数多く流れる1970年代ディスコミュージックも含めて、再見が楽しみです。