days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

キンジー


愛についてのキンゼイ・レポート』(Kinsey)を観て来ました。


秀作です。


秀作『ゴッド・アンド・モンスター』の脚本&監督や、『シカゴ』の脚本を担当した、ビル・コンドンの作品です。アルフレッド・キンゼイ博士に扮するのは、リーアム・ニーソン。その妻にローラ・リニー、と主演2人には芸達者を揃えています。キンゼイ博士の弟子たちに、新進ピーター・サースガードは良いとして、久々ティモシー・ハットンクリス・オドネルですよ!生きてて良かったね!!


昆虫学者だったキンゼイは、人間の性行動を膨大なインタヴューによってデータ化、それが赤狩り真っ盛りのアメリカに衝撃を与えた、という話。大成功の後、苦渋を舐めることになるのですが、最後に救いがあります。


役者は皆熱演で見応えあり。力強いニーソンの演技は特筆ものです。コンドンの脚本は緻密な構成で説得力があり、演出にも力が入っています。自らもゲイということで、ゲイ・マイノリティーへの目配りも印象的。


映画のテーマは明快です。曰く、個性は素晴らしい。これは序盤で明かされます。
苦心した跡が伺える邦題は、観客をテーマからミスリードする恐れさえあるかも。読み取れなかった観客の責任でもありましょうが。


日本での劇場公開映画で恐らく初めて、男性器・女性器が大写しになるという、画期的な映画でもあります。その一方で、サースガードのは何故かボカシがかかるという、理解に苦しむ修正もあるのが減点か(映画のせいじゃないけど)。とまれ、映倫も少しずつ前進しているようですね。