days of cinema, music and food

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オペラ座の亡霊


音楽の秋!じゃないけれど、最近のヘヴィーローテーションDVDはこれです。


オペラ座の怪人 コレクターズ・エディション



映画本編はというと、やはり舞台版を映画に置き換えただけの印象は否めず、もっと翻案しても良かっただろうに、と思います。ま、アンドリュー・ロイド・ウェバーによるアンドリュー・ロイド・ウェバーの為の映画だからね。公開当時のレヴューでは色々書いたけど、それにしても『Masquerade』の無残さは目を覆いたくなりますなぁ。赤・青・緑といった原色系の衣装てんこ盛りだった舞台版に比べ、黒・白・金で統一した衣装は、クールではあるけれど派手さに欠けます。振付も散漫で迫力不足、さらに撮影と編集が下手。あすこはもっと、あっと言わせないと。


本編ディスクは、北米盤収録の音声解説がオミットされていますが、その分DTS収録。迫力満点のサウンドが楽しめます。有名な『序曲』のパイプオルガンなど、重低音に迫力あります。フルオーケストラということで、豪奢な演奏もばっちり。リッチで艶のある音楽を楽しみましょう。


画質もかなり綺麗。ノイズも少なく、細部まで拘ったプロダクション・デザインが堪能出来ます。セット、衣装など、凝り凝りの様がよく分かりますし。


本編ディスクで良いのは、音楽チャプターが付いていること。ということで、通して観た後はもっぱらこの音楽チャプターで楽しんでいます。よく聴くのは、『The Phantom of the Opera』『The Music of the night』、『All I ask of You』、『Wishing You Were Somehow Here Again』、『The Point of No Return』かな。特に作曲者自身もお気に入りという『The Point of No Return』が好きかも。どうやら、男女がハモる曲が好きなようです。


国内盤サントラCDにはお目当ての英語歌詞が入っていなかったので、時々DVDでは英語字幕を出します。このミュージカル、チャールズ・ハートによる歌詞がとても美しいものが多いのですよ。戸田奈津子の無神経な字幕以前に、映画用字幕でこの美しさを再現するのは不可能。日本語による翻訳でも難しいでしょう。是非、英語字幕でも観てみてください。『The Music of the Night』の力強さと繊細さが同居した詩など、絶品です。リチャード・スティルゴーによる『Prima Donna』のユーモアも捨て難いですけどね。


特典ディスクの目玉は、Disc 3をまるまる使ったドキュメンタリ『Behind the Mask』。舞台版製作裏話です。サラ・ブライトマン版の初演の様子も出てくるし、興味津々。こういう特典は大歓迎です。


秋の夜長にしゃぶりつくしたくなる好ディスクです。お試しあれ。