days of cinema, music and food

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音者の帰還


今日も『ロード・オブ・ザ・リング』サントラCDのご紹介。
最終作である第3部『王の帰還』です。


ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還


これが最後だ、とばかりにハワード・ショアの力の篭った楽曲の数々が聴かれます。
特にここでフィーチャーされるのが、今まで小出しだったゴンドールのテーマ曲。
勇壮で威厳と深みのあるテーマには、心奪われずにいられません。
時には弦が、時には金管が奏でるメロディには、ゴンドールの歴史が埋め込まれているよう。


もう1つ印象に残る新メロディがあります。
それは「死」を意識される場面に流れるメロディ。
エンディングにアニー・レノックスによって歌われる『イントゥ・ザ・ウェスト』のメロディです。
ガンダルフピピンに死について語る場面。
最後の灰色港での別れの場面。
これらを静かに、感動的に、控え目に支えます。


異質ではありますが、ホラー映画調の楽曲もあります。
シェロブの場面では、このシリーズでは殆ど始めてではないかという、不協和音系の楽曲が流れます。
特典DVDによると、監督ピーター・ジャクソンデイヴィッド・クローネンバーグ映画っぽい曲を望んだとか。


全体に素晴らしいアルバムで、映画史、映画音楽史に残る作品の優秀の美を飾ります。



・・・と、ここで残念なニュースが飛び込んで来ました。
ジャクソンの『キング・コング』から、ショアが降板したそうです。
理由は見解の不一致だとか。
民俗音楽やらの調査とかで、ショアも気合が入っていた筈だし、大変残念です。
ショアの音楽は物凄く期待して、楽しみにしていただけになぁ・・・。
後釜がジェームズ・ニュートン・ハワードというのもなぁ・・・。
嫌いじゃないけど、特色も薄く、当り障りの無い曲を書く印象の作曲家なので。
映画への期待値も少々下がってしまいました。
ハワードに与えられた時間は少ないですが、ベストを尽くしてもらいましょう。