days of cinema, music and food

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graphic novel "a history of violence"


買ってあったグラフィック・ノヴェル(向こうの劇画)『ヒストリー・オブ・バイオレンス』をようやく読み終わりました。
映画の方は既に鑑賞済みですが、ナルホド、原作はまるで違います。


原作の第1章までは映画の2/3に当たりますが、原作と映画、それぞれ以降の展開は全く違うものとなっています。
特に原作の方は第2章・第3章は主人公の過去の回想と現在が交互に描かれ、内容もかなりグロテスクで凄惨な、衝撃的なものとなっています。


このまま映画化していたら、デビッド・クローネンバーグらしい超グログロ映画になっていたのでは。
原作はかなり粗いタッチの絵柄なので、粗い線の中にグログロが消えているのですが、このまま映像化されていたら、かなりスプラッター映画になっていたのは確実です。


しかし映画版は暴力とその肉体的・心理的な結果を描いており、原作とアプローチとテーマが違います。映画版は独特の深みがあり、結果的にもあれで良かったと思います。原作と映画、共に淡々としたタッチですが、ミステリ/スリラー志向の原作、ドラマ志向の映画と、内容は別物と言えましょう。


尚、クローネンバーグは脚本だけ受け取った雇われ監督。原作があるとは知らなかった、というのも面白い話です。


ヒストリー・オブ・バイオレンス

ヒストリー・オブ・バイオレンス