days of cinema, music and food

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増補改訂新装版 COMPLETE STEPHEN KING


W杯を横目で見つつ、今読んでいる『ダーク・タワーV カーラの狼』上中下の中をようやく読み終えそうな今日は、私の大好きなスティーヴン・キングスティーブン・キング)関連本のご紹介。
1988年に奥澤成樹編著で発行された『COMPLETE STEPHEN KING』の増補改訂新装版、1991年の本であります。


今やホラー研究家及び翻訳者、そして『ダーク・タワー』シリーズをせっせと翻訳している風間賢二も「編著」に名を並べている、500ページ近い労作です。
写真でも迫力があるでしょう?


実は1988年版も持っているのですが、そちらはソフトカバーでした。
ところが大学生協で観付けた本書(偶然見つけて、思わず小躍りしました)は、豪華にもハードカバー。
おまけに相当ページが増えています。
当時も今も、創作意欲旺盛なキングですから、わずか3年の内に新作が数冊出たので「増補改訂」が出ました。
但しその間に奥澤氏が死去したので、1991年版は風間氏が編集したもののようです。


冒頭にある原書表紙や映画のオリジナル・ポスターのカラー印刷が嬉しい。
キングの生い立ちに始まり、荒俣宏川本三郎、仁賀克雄らの批評、キングへのロング・インタビュー、当時世に出ていた全作品の詳細な紹介、映像化されたものの論評、はてはキング出演のアメックスCF紹介など、とにかく情報量には圧倒されます。
特に当時は未訳作品も多かったので、シノプシスは読まないようにしても、作品の成り立ちや批評などは食いつくように読んだものでした。


キングに関する本ならば、この1冊があればかなり事足りるのでは、と思える出来です。
実際、作家としてはここ10年くらいは自己再生産に近い活動となっているので(それが決して悪いとは言いませんが)、初期作品を全て網羅している本書は資料としてもかなり重宝するのではないでしょうか。


1999年に散歩中にはねられて生死の境をさまよったものの、その後も止むこと無い作家活動も素晴らしいと思いますが、若い時の勢いや読者をねじ伏せるようなパワーはありません。
今は(やや)枯れた味わいの作品を楽しむべきときなのでしょうね。


Amazonにあるものは、1988年版です。
そちらは実家に置いてきてしまったので本書と内容を見比べられませんが、読んで損無しに違いありません。
3年分の情報と、評論家・作家らの評論文(全てが両方に掲載されている訳ではありません)などに違いがあります。


さ、『ダーク・タワー』に戻りますか。


COMPLETE STEPHEN KING

COMPLETE STEPHEN KING