The Godfather Legacy
名作『ゴッドファーザー』のメイキング本、『ザ・ゴッドファーザー』2度目の読書を完了しました。
三部作の特に第1部に焦点を当てたこの本は、実は難産だったことが良く分かり、とても興味深いものとなっています。
48歳の新人作家マリオ・プーゾの原作執筆を、映画化を当て込んでいたパラマウントが資金援助していたこと。
小説は大ベストセラーとなるものの、パラマウントは諸般の事情で映画化実現に乗り気で無かった事。
映画化しようとしても、低予算のお手軽ヴァイオレンスものにしようとしていたこと。
若手プロデューサー、アルバート・S・ラディの起用は、キャリアにヒット作が無いにも関わらず、安く仕上げられるからだったこと。
大作と思われている第1部は、実はかなりの低予算映画だったということ。
トラブルメイカー、マーロン・ブランドの起用に、パラマウントはまるで乗り気でなかったこと。
まだ売れていないアル・パチーノの起用に乗り気でないどころか、パラマウントはクビにしようとしていたこと。
実際のマフィアの陰ながらの協力により、困難が予想されていたニューヨーク・ロケが円滑に進んだこと。
ヒット作が無い新進監督フランシス・フォード・コッポラは自信が無く優柔不断で、撮影当初はいつクビになるかとビクビクしていたこと。
ロバート・デ・ニーロがアル・パチーノやジェームズ・カーンの役のオーディションを受けていたものの起用されなかったが、その演技に感銘を受けたコッポラが『PART II』に起用したこと。
こういった様々な裏事情も面白いのですが、スタッフ間の衝突や権力闘争などよりも、やはりクリエイティヴな話が読めるのが非常に面白い。
もちろん、ディック・スミスが手掛けたマーロン・ブランドの特殊メイクや、ジェームズ・カーンの「凄惨な死に様」裏話などの話も詳細に書かれています。
全て初公開という撮影当時の写真もふんだんに使われているのも良い。
第2部、第3部は軽く扱われている程度ですが、こちらもさらりと読めました。
名作が出来るまでは様々な困難が立ちはだかっていたようですが、それを乗り越えられたからこそ、あれだけの素晴らしい大傑作が生まれたのですね。
映画好きは必読の本です。
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久々に映画の方も観たくなりました。
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こちらもメイキングがふんだんで見応えありです。