days of cinema, music and food

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松坂大輔の手本


松坂大輔ボストン・レッドソックスに入団しました。
契約するまでの狂騒の1ヶ月、スコット・ボラスに乗せられてか「契約出来ないかも」などと書くメディアもありましたが、元々メジャーリーガーになりたかった松坂ですから、入団するだろうと思っていました。


さて何を隠そうレッドソックス・ファンである私としては、来季の豪華先発投手陣へと想いを馳せるのです。
松坂が会いたいと言っていたカート・シリングこそ、私の大好きな大エース。
来季40歳で、シーズン終了後に引退すると発言していますが、剛速球と抜群のコントロール、気迫溢れるピッチングを、まだまだ披露してくれる筈です。
そして何より、理想のメジャーリーガーとはかくあるべしという手本として、松坂にとって得られるものが多いのではないでしょうか。


2004年9月下旬、ニューヨーク旅行でのお目当ての1つが、ヤンキースタジアムでのメジャーリーグ観戦でした。
激しい優勝争いをしていたレッドソックス戦を2ゲーム観、小泉首相ゴジラ松井への始球式なども眺めましたが、両ゲーム共にレッドソックスは惨敗。
どちらも序盤での大量失点&得点出来ないというひどいゲームでした。
まさかペドロ・マルティネスが序盤でノックアウトだなんて、予想もしませんでしたから(まぁこの年のペドロは時折不安定なピッチングをしていたので、悪い方の予想のさらに最悪なものを見せてくれたということで)。


しかし初めてのメジャーリーグ観戦では、美しいスタジアムと共に、日本のプロ野球場とは違う雰囲気を味わえたのが良かった。

スタジアムの美しさは感動的。
眼前に広がる天然芝、そして頭上には開けた空間に青空。
やはり野球は屋根の下ではなく、空の下でやるものだと思いました。


そしてゲーム前の練習風景とそれを眺めるファンの光景は、牧歌的と呼ぶに相応しい。


ゲーム前、芝生の上でレッドソックスのキャプテンであるキャッチャー、ジェイソン・ヴァリテックが1人でストレッチなんかしていると、すぐさま
「Varitek, Sucks!(ヴァリテック、ダッセえ!)」
の野次が飛びます。
しかしバリテックは意に介せず、リラックスして身体を伸ばし、離れた向こうにいるチームメイトたちに合流していました。


ブルペンでは登板予定のピッチャーが投球練習を始めました。
あっ! カート・シリングだぁっ!!
大柄な体躯、威風堂々とした物腰。
圧倒的な貫禄がありました。
周りのヤンキース・ファンの間でも
「Curt Shilling? Cool!」
でもすかさず
「Shilling, Sucks!!」
の野次が飛ぶのが何ともはや可笑しい。


バリテックと共に堂々たる態度。
これぞメジャーリーガーという雰囲気を発していました。


シリングは今でこそ人格者で知られていますが、若い頃は酒・女・タバコに明け暮れ、剛速球という素質があっても努力しない二流選手でした。
それが敵チームのロジャー・クレメンスに「何で才能があるのに努力しないんだ?」と延々1時間も説教をされ、目覚めた。
そこから努力をして頭角を現したのは有名な話です。
また慈善活動家としても知られ、2001年にはロベルト・クレメンテ賞を受賞しています。


そのシリングも今でも悪ガキの顔が覗かせるのか、ビッグマウス振りが楽しい。
レッドソックス入団のときも
ヤンキースなんか嫌いだ」
「俺はヤンキースを倒してレッドソックスをワールドチャンピオンにするためにやって来たんだ」
と言っていました。
つい先日もラジオ出演の際に
ヤンキースは1番手ごわいチームなんかじゃない」
などと言っていましたし。
こういう大口叩くけれども、ちゃんと実績を残すのもカッコ良い。
そしてこういうスケールの大きさが、大らかなメジャーリーグらしいとも思います。


松坂には、日本にいるときの優等生のままではなく、レッドソックスという悪タレ集団のメンバーとして大暴れして、さらにはメジャーリーガーかくあるべしとなってもらいたいものです。