「野茂英雄のすべて。」
新聞広告で野茂特集を知ったので、当然ながらNumberを購入しました。
久々に手に取ったら、いつの間にかもの凄く薄くなっていて、軽い驚きを覚えました。
以前にも書きましたが、元近鉄バファローズ・ファンとしては、野茂入団当時は心躍らせたものです。
ですから今年に入ってからの引退発表は物悲しく感じました。
どこか信じられない。またMLBに挑戦するのではないか、という気がしたのです。
その気分をこちらはずっと引きずっていましたが、今回のロングインタヴューを読んで、「あぁ、野茂は本当に引退したんだな」と思いました。
インタヴューに加え、生島淳、二宮清純といったスポーツライター(ここに玉木正之の名前が無いのが残念)の記事や対談、阿波野秀幸、鈴木啓示、吉井理人といった関係者のコメントが読めます。
特に鈴木啓示に関しては、野茂関連で初めてコメントを読んだので、貴重に感じました。
今年春先に短期間在籍したベネズエラのリーグにまで取材していて、野茂関連を広範囲でカバーしているのに感心させられます。
このように雑誌の半分近くを野茂関係の記事で占めているにも関わらず、私は不満を覚えました。
まだまだ、物足りない。
もっと読みたい。と。
野茂のインタヴューを読めば分かるように、彼は至極常識かつ真っ当な意見と、常識かつ真っ当な理想の持ち主です。
ですが現在の日本のプロアマ問わずの野球事情を考えると、暗澹たる気分にさせてくれるのも事実。
野茂の意見や理想と、現状とでは、余りに距離があり過ぎる。
ですが彼ならば、自分のクラブチームを礎として、少しずつ改革してくれるのでは、という明るい気分を持たせてくれます。
このようにインタヴューだけとっても奥深いものがあり、色々と考えさせられる野茂ですから、雑誌の特集だけでは紙数が足りない。
誰か彼を題材に、分厚い本にまとめてくれないものでしょうか。
そこから、野球に限らず、日本のスポーツの現状すら見えて来るのではないか、と思うのですが。
Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2008年 10/30号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/10/16
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