days of cinema, music and food

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『オバマ・ショック』&『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』


今日はバラクフセインオバマが第44代アメリカ合衆国大統領に就任した日です(現地時間20日)。
世界各国の多くの人がオバマに対する期待が大きい訳ですが、それに比例してここ何ヶ月かオバマ本が書店に並んでいますね。
私も読むなら今だと、越智道雄町山智浩の対談本『オバマ・ショック』を読んでみました。


町山智浩は好きな映画評論家兼コラムニストです。
アメリカ在住という”武器”でもって、今のアメリカの空気を伝えてくれ、それが彼を独自の立場に至らしめています。
その彼と、アメリカを斬る越智道雄の対談は、オバマが大統領になった原因だけではなく、近年のアメリカにおける政治状況などを俯瞰していて、とても分かりやすく、また読んでいて非常に面白い。
アメリカにおける保守やリベラル、共和党民主党についてや、宗教の社会における影響など、興味深いものがあります。
これを読むとヒラリー・クリントンではなく、またジョン・マケインでもなく、今現在ではバラク・オバマが選ばれたのも必然ではないか、と思われます。


この本だけではなく、もう1冊の町山本も併せて読むことをお薦めします。
もう1冊とは、『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』です。
これは現代アメリカにおける文化、宗教、経済状況などについてのリポート。
結構砕けた文章ですが、歯切れ良く、読み易い。
ある意味アメリカの病理さえ伺える本です。
また、マニアックな映画ネタもあるのに、さすがプロの書き手。
噛み砕いて分かり易く書かれているので、そんなに映画ファンでなくとも分かりやすいように書いてあります。


私は、町山智浩が出演しているTBSラジオ『ストリーム』のポッドキャストをダウンロードし、それをカーステレオに繋いだiPodでもって聞くのが好きです。
この番組は町山智浩に限らず、日替わりコラムニストたちの話がとても面白いので、試しにお聞きになることをお薦めします。
司会の小西克哉松本ともこのコンビも良く、特に小西克哉は『CNN』の頃から大好きでしたが、今尚歯切れ良いままなのが聞き所。


実はこの本、この番組で町山が喋った内容とかなりダブっています。
その意味で新鮮さはありませんが、耳で聞いたことの補足となるのはありがたい。
町山智浩個人の視点が入っているのは当然ですが、これと『オバマ・ショック』での越智道雄の視点や分析を併せることで、読み手のバイアスも薄れ、より俯瞰的・客観的に、現代アメリカに状況を知ることが出来ます。
また、共に映画に対する言及もあり、映画ファンも楽しめることでしょう。
1冊ではなく、2冊読まれることをお薦めします。


オバマ・ショック (集英社新書 477A)

オバマ・ショック (集英社新書 477A)

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

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町山本ではこちらも近々読もうかと思っています。

キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢

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