days of cinema, music and food

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今日の民主党総裁選の結果で思ったこと


はい、仕事中に珍しく、Twitterのタイムラインをちらちら眺めていました。
理由は小沢一郎菅直人民主党総裁選の結果を早く知りたかったからです。
Twitterによるフィルターの掛かっていない情報のスピードは凄まじいです。
私は何人かのジャーナリストをフォローしていますが、2人の最後の演説採録などもぼんぼんアップされていきます。


結果は菅直人の圧勝。
正直に言ってがっかりしました。
情報公開を進めつつも、まだ鈍かったところもある鳩山政権の後を継いだ菅政権は、逆にクローズドな政権になってしまいました。
それに国民をないがしろにして官僚と手を結び、統治能力にも問題だらけだったのでしたから。
小沢一郎の総理大臣としての統治能力はもちろん分かりませんが、少なくとも自らの政治資金も含めた情報公開を積極的にしている政治家なので、その点が政権運営に生かされることを期待していたのです。


開票日となった今朝の朝日新聞朝刊社説「再び民主議員へ 新しい政治を突きつめて」は、これも本当に酷かった。
あからさまな嫌小沢で、且つ内容もしっちゃかめっちゃか。
まず、「カネと政治」の同義的問題と刑事的問題をごっちゃにしています。
法律を学んだ人ならばすぐにお分かりですが、推定無罪という言葉があります。
裁判で有罪が確定するまでは、被告人は無罪という前提である、といった意味です。
昨今のマスメディアの報道を見ると、推定無罪もあったもんじゃありません。
これじゃ冤罪もいい所。
普段は人権を標榜するメディアが、検察が起訴を断念した、つまりシロとした事件をほじくり返し、クロだろ、灰色だと、と叫んでいます。
もちろん政治家としての道義的責任はありますが、それと刑事的責任は別と考えねばなりません。
ここをごっちゃにするから、訳の分からない、実体の無い「政治とカネ」という都合の良い言葉が喧伝されるし、また多くの人がそれに乗せられてしまうのです。


私が思うに、「政治とカネ」の「説明責任」とは、中世の魔女狩りと同じです。
毎週記者会見を開いて潔白だと説明をしても、目を付けた相手には「お前、魔女の筈なのに自分は魔女じゃないと言っているな。まだ説明が足りないぞ。魔女だと自白しろ」と攻め立てる。
これと同じです。
一般市民が言うのはまだしも、影響力の大きいマスメディアがこんなことをやるのは大問題。
こう考えると、今の日本は中世と同程度に、スキャンダルとヒステリー漬けの社会とも言えそうです。


さらに朝日は「検察審査会の判断を待つ身」「最高指導者たろうとするにしては、けじめがなさすぎるのではないか」としています。
検察審査会で選ばれる一般市民の人数は11人です。
え!?
ここはファシズムの国!?
11人の票の方が国民が投じた票よりも偉いの??
こんな論理にもなっていない論理で民主党議員に菅直人への信任を迫るのですかぁ。
こんな程度の内容しか書けない論説委員の筆力も貧しいですし、こんな程度の文章を社説として掲げる全国紙では、あきれて「開いた口がふさがりません」(小沢が立候補したときの社説へのあてこすりです)。


まぁしかし、こういったメディアの一生懸命な活動の甲斐あって、一般人である民主党党員やサポーターの得票により、小沢一郎ではなく菅直人がめでたく選ばれました(国会議員の得票はほぼ拮抗)。
しかしこの得票結果も、マスメディアの言う「圧勝」でもなかったのが実態のようです。
人数で言うと、菅:小沢で6:4だったとか。
私も知らなかったのですが、代表選挙は小選挙区制なので、人数と票の獲得結果に差がつくというものだったのでした。
「民意の圧倒的支持」などという報道があったら、気を付けた方が良いでしょう。


ただまぁ、今回の代表戦の2週間、特にTwitterでのフリージャーナリストたちのつぶやきを追い駆けると、記者クラブおよびマスメディアの情報独占に対し、光明も見えてきたかな、という希望が持てました。
それが個人的には最大の収穫でした。


まあしかし、『マトリックス』じゃないけれど、洗脳されていたときの方が楽でした(^^;