days of cinema, music and food

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graphic novel "Batman: Dark Victory"


ジェフ・ローブ作&ティム・セイル画の『バットマン:ロング・ハロウィーン』は傑作でした。
バットマンの世界と本格殺人ミステリの融合は上出来で、最後まで楽しく読めたのです。
そのコンビによる続編『バットマン:ダークビクトリー』を読みました。


ゴッサム・シティを舞台にした殺人ミステリーという趣向は前作同様。
警官ばかりを狙う連続殺人事件に、前作で痛手を負ったファルコーネ一家の策略、セリーナ・カイルことキャットウーマンバットマンブルース・ウェインのすれ違いなどを盛り込み、さらにハーヴィー・デントの暗躍、ジョーカーの暗闘など盛りだくさん。
基本的に前作と同じ路線なので新鮮味には欠けますが、最後までぐいぐいと読ませるだけの力があります。
スケールの大きな作品となっていながら散漫になっていないのは、ジェフ・ローブの構成がしっかりしているからでしょう。
ハードボイルド・タッチの内容に相応しく、ティム・セイルの画はシンプルでコントラストを強調したものなのも前作同様。
傑作の続編は傑作に非ず、というのはこのコンビには当てはまらないようです。


個人的には好きではないロビンが登場するというので不安がありました。
希望の無い暗黒の騎士の世界に、少年=未来を作る者の存在は不要と思えるからです。
しかし後ろ向きではない、こういう描き方ならばOK。
アンチ・ロビン派の私でも納得の行くものでした。


上下巻で合計6,000円強もしますが、非常に面白い。
但し前作を読んでいないとチンプンカンプンでしょう。
そういう意味ではハードルが高いのは確かですが、それだけの価値があるコミックだと思います。
お勧めです。


バットマン:ダークビクトリー Vol.1

バットマン:ダークビクトリー Vol.1

バットマン:ダークビクトリー Vol.2

バットマン:ダークビクトリー Vol.2


こちらもお忘れなく。

バットマン : ロング・ハロウィーン ♯1

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バットマン : ロング・ハロウィーン ♯2

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